「欧州は退けない」ドイツ財務相、上海で産業防衛の必要性を強調
会場の空気が一瞬引き締まった。上海で記者団と向き合ったドイツのラース・クリングバイル財務相は、言葉を選びながらも「欧州が負けるわけにはいかない」と繰り返した。自由な貿易の重要性を認めつつも、相手の産業が手厚い補助を受けているなら、自国の市場を守る防波堤が要ると訴えたのである。メルツ政権発足から約半年、同政権で初の閣僚級の訪中となった今回の旅は、ドイツが中国との距離感をどう調整するのかを映す場ともな…
政治ニュースを「難しい」「分かりにくい」で終わらせない。
制度・発言・政策の背景を噛み砕き、私たちの生活とどう繋がっているのかを丁寧に解説します。
与野党の動きから国際政治まで、感情論ではなく理解を深めるための政治を扱うカテゴリです。
会場の空気が一瞬引き締まった。上海で記者団と向き合ったドイツのラース・クリングバイル財務相は、言葉を選びながらも「欧州が負けるわけにはいかない」と繰り返した。自由な貿易の重要性を認めつつも、相手の産業が手厚い補助を受けているなら、自国の市場を守る防波堤が要ると訴えたのである。メルツ政権発足から約半年、同政権で初の閣僚級の訪中となった今回の旅は、ドイツが中国との距離感をどう調整するのかを映す場ともな…
トルコでの首脳会談の席で、ゼレンスキー大統領はエルドアン大統領と向き合っていた。同じ頃、ワシントンからは、ロシアとの戦争を終わらせるためには米国が用意した枠組みを受け入れるべきだという厳しいメッセージが届けられていた。領土の割譲や軍の縮小まで含むこの提案は、ウクライナにとって和平と主権のどちらを優先するのかという重い選択を突きつけている。
サイレンが鳴り続ける暗闇の中で、テルノピリの集合住宅の上階が一瞬にして崩れ落ちた。ロシア軍のミサイルと無人機による大規模攻撃は子どもを含む多くの命を奪い、街に残された人びとは、壊れた窓から吹き込む冷たい風と、いつ終わるとも知れない空襲警報に耐え続けている。
在日中国大使館のX公式アカウントは14日、盧溝橋事件を日本軍の入念な謀略と位置づけ、中国への全面侵攻の出発点だったとする投稿を行った。この見方に対し、日本では「史実と違う」との反発や、経緯を説明しようとする解説記事が相次いでいる。銃声が響いたあの夜、何が起きていたのか。研究者たちが積み上げてきた像をたどる。
国会での答弁を終えた高市早苗首相の言葉が波紋を広げる中、その余韻が冷めきらないうちに、中国のテレビ局や新聞の画面に「琉球」が次々と現れた。沖縄県の歴史や文化を取り上げる短い動画、琉球諸島の主権を論じる長い社説。台湾有事をめぐる発言への反発と歩調を合わせるように、沖縄の日本への帰属そのものを問い直す論調が、一気に前面に押し出されている。
報告書が公表された会見場で、分厚い冊子のページが静かにめくられていった。防衛省のシンクタンク、防衛研究所が2025年11月20日にまとめた「中国安全保障リポート2026」は、中国とロシア、北朝鮮の結び付きが、台湾や東・南シナ海、朝鮮半島を含むインド太平洋の安全保障を揺らしていると警鐘を鳴らす。
会議室を出た2人の局長が、硬い表情のまま廊下を歩き始める。北京の中国外務省庁舎で2025年11月18日に行われた日中局長級協議の直後、その数秒間を切り取った映像が、中国のSNSで一気に広がった。画面には、両手をポケットに入れたまま話す中国側の劉勁松アジア局長と、その隣で頭を傾ける日本の金井正彰アジア大洋州局長の姿が映る。この場面は「日本側が頭を下げている」と解釈され、高市早苗首相の台湾有事発言に反…
ニューヨークの国連本部で、日中の代表が相次いで演壇に立った。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁が波紋を広げ、議論の舞台はついに安保理改革を話し合う国連総会へと移ったのである。中国の傅聡国連大使が日本を名指しで強く批判し、日本側がただちに反論権を行使するという、緊張感の高いやり取りになった。日本の安保理常任理事国入りの是非と、台湾情勢への向き合い方が、同じ会場で重ねて問われている。
アブジャの大統領府が沈黙を破ったのは、前線で将官が消息を絶ってから数日後だった。ボラ・ティヌブ大統領は2025年11月18日、イスラム過激派組織イスラム国西アフリカ州(ISWAP)との戦闘任務に就いていたムサ・ウバ准将が死亡した事実を公式に認め、声明で「戦場で倒れた兵士と将校の死を深く悼む」と述べた。胸章に星を付けた指揮官が過激派に待ち伏せされ殺害されたことは、長引く反乱の重さを改めて浮かび上がら…
台湾の検察庁で18日、軍や防衛に関わってきた人々の名前が静かに読み上げられた。中国共産党のために情報を集めた疑いで、香港出身の中国人の男と台湾の現役・元軍人ら7人が起訴されたのだ。かつて同じ部隊で汗を流した仲間が、国家の安全を脅かしたとされる構図に、社会には複雑な空気が広がっている。
パリ郊外の軍用空港で、フランス製戦闘機ラファールの機首を背にマクロン仏大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領が握手した。2025年11月17日、両首脳はウクライナに最大100機のラファールなどを供給する意向書に署名し、長期的な防空力強化をうたった。その翌日、モスクワからは強い反発の声が上がった。
国境から遠く離れた米南部の街ニューオーリンズに、まもなく連邦の国境警備隊員が大挙して集結しようとしている。米国土安全保障省が、ルイジアナ州とミシシッピ州を対象に約2か月にわたる大規模な移民取り締まり作戦「スワンプ・スイープ」を準備していることが分かった。目標はおよそ5000人の逮捕とされ、すでに関係機関の調整が進んでいるという。
欧州の金融監督当局が18日、大手IT企業19社に一斉に連絡を入れた。アマゾンのクラウド部門Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud、Microsoftなど、銀行システムを支えるクラウドや通信の事業者を「金融にとって重要な外部ITプロバイダー」と公式に認定したのだ。今年1月に適用が始まったデジタル運用レジリエンス法(DORA)に基づき、彼らは今後、銀行と同じ監督テー…
静まり返った工場の駐車場から、ぽつりぽつりと従業員が帰路につく。半導体不足が再びドイツの自動車部品産業を直撃し、ボッシュなど大手サプライヤーは生産計画の組み直しを迫られている。背景には、オランダに本社を置く中国系半導体メーカー、ネクスペリアの経営権を巡る中国とオランダの対立がある。対話の糸口を探るため、オランダ政府は北京への代表団派遣に踏み切ったが、現場の不安はなお消えていない。
トランプ米大統領の側近たちが、静かな会議室で地図と資料を広げている。表に出ていないのは、ロシアと協議を重ねながらウクライナ戦争の終結案をまとめようとしているからだ。米メディアAxiosやロイター通信によると、ホワイトハウスは水面下で新たな和平ロードマップを作成しており、複数の米ロ当局者がその存在を認めているという。
中国の港に、静かにロシア船が入ってくる。積み荷は北極圏から運ばれた液化天然ガスLNGだが、取引価格は通常より3~4割も安い。背後には、米欧の厳しい制裁で行き場を失った巨大プロジェクト「アークティックLNG2」と、そのガスを受け入れる中国の姿勢が重なっている。
レジ前でスマートフォンを手に取る人たちの負担が、数年後には少し重くなるかもしれない。ロシア政府が、輸入のスマホやノートパソコンなど消費者向け電子機器に新税をかけ、その税収約27億ドルを今後3年間で国内の電子産業、とりわけ防衛関連の企業支援に振り向ける構想を示した。背景には、西側の制裁で半導体や高性能部品へのルートが細り、自前で必要な機器を確保しなければならなくなったという事情がある。
爆発音で目を覚ました住民たちは、廊下に立ちこめる煙と炎を前に、暗い階段を押し合うようにして避難した。2025年11月19日未明、ロシア軍のドローン攻撃がウクライナ第2の都市ハルキウの集合住宅を襲い、子ども2人を含む32人が負傷した。火災は周辺の車や建物にも広がり、静かな夜は一転して救急車と消防車のサイレンに包まれた。
EU欧州委で産業戦略を担うステファヌ・セジュルネ上級副委員長が、重要鉱物を巡る世界の争奪戦に神経をとがらせている。19日に英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、EUが加盟国の需要を束ねて調達と備蓄を行う中央機関を設け、米国が欧州の目前で資源を囲い込むのを防ぐ構想を明らかにした。防衛やクリーン技術を支える鉱物を巡り、EUが後れを取るとの危機感がにじむ。
自民党本部の会議室で、与党の政策責任者どうしが向き合った。2025年11月19日、自民党の小林鷹之政調会長が公明党の岡本三成政調会長に、物価高への新たな支援策として「子ども1人あたり2万円」を現金で渡す案を正式に伝えた。児童手当に上乗せして支給する構想で、必要な財源はおおむね4000億円に達する見通しだと説明したという。