英ロンドン中央刑事裁判所で香港系活動家2人に有罪評決

香港民主派を狙った監視活動で2人に有罪評決 対中外交問題にも波及

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ロンドンの中央刑事裁判所(オールド・ベイリー)で5月7日、英国在住の香港系民主活動家らを対象に、香港当局と中国国家の利益となる情報収集・監視活動に関与したとして、チャン・ビウ・ユエン被告とチー・リョン・ワイ被告の2人に有罪評決が出た。ダン・ジャービス英安全保障担当相は同日、2人の活動を英国の主権侵害だとして、外務省が中国大使を呼び出す方針を示した。

香港系民主派を標的にした情報収集

事件は、外国勢力による干渉やスパイ活動への対応を強めるために導入された英国の2023年国家安全保障法に基づき立件された。ユエン被告は元香港警察官で、ロンドンの香港経済貿易代表部に勤務していた。ワイ被告は元英国ボーダーフォース職員で、シティ・オブ・ロンドン警察の特別巡査でもあった。

審理では、被告らが英国在住の反体制派や民主活動家について、車両、住所、ソーシャルメディア情報などを調べていた実態が示された。標的には、香港の民主活動家で英国に拠点を移したネイサン・ロー氏も含まれていた。ロンドン警視庁は、この事件を英国を拠点とする民主派活動家を狙ったスパイ活動と位置づけている。

ワイ被告には、ボーダーフォース職員としてアクセスできた内務省システムを不正に利用したことに関連し、公職上の不正行為でも有罪評決が出た。審理では、ロンドンの香港経済貿易代表部が活動の拠点として使われたことを示す証拠も陪審に示された。ただし、有罪評決を受けたのは個人2人であり、代表部そのものが刑事責任を問われたわけではない。

主権侵害と位置づけた英政府

ジャービス氏は声明で、英国国内で外国当局の利益のために行われた活動は容認できない主権侵害だと強調した。英政府が判決当日に中国大使の呼び出し方針を示したことで、事件は刑事裁判にとどまらず、対中外交上の問題として扱われることになった。AP通信はその後、中国大使が英外務省に呼び出されたと報じている。一方、英外務省側の詳しい説明や協議内容は、現時点で確認できていない。

この事件では、マシュー・トリケット氏も起訴されていたが、判決前に死亡した。ロンドン警視庁は、現行の刑事手続き終了後に死因審問が見込まれるとしている。2024年の起訴から今回の有罪評決まで、英当局は事件を単なる個人の不正ではなく、国外に逃れた香港系民主派への越境的な抑圧や外国干渉の一環として扱ってきた。

今後は量刑に加え、英中関係への波及や、英国に置かれた香港関連機関の扱いが焦点となる。香港情勢をめぐって英中関係はすでに緊張を抱えており、英国側が今回の評決を主権侵害として前面に出したことで、外交的な摩擦がさらに強まる可能性がある。

参考・出典

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