国連安保理でイラン核問題巡り対立 米欧の圧力強化に中露反発
イランの核問題を巡る国連安全保障理事会の対立は、核開発そのものよりも、どの手段で封じ込めるのかで亀裂が深まっていることを改めて示した。2025年3月12日の非公開会合では、米国と英仏独などが高濃縮ウランの拡大を深刻視し、圧力強化も辞さない姿勢を示したのに対し、中国とロシアは制裁論と会合運営の双方に反発した。
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イランの核問題を巡る国連安全保障理事会の対立は、核開発そのものよりも、どの手段で封じ込めるのかで亀裂が深まっていることを改めて示した。2025年3月12日の非公開会合では、米国と英仏独などが高濃縮ウランの拡大を深刻視し、圧力強化も辞さない姿勢を示したのに対し、中国とロシアは制裁論と会合運営の双方に反発した。
トランプ大統領は3月9日、イランが保有する高濃縮ウランを確保するために米軍地上部隊を投入する決定には「程遠い」と述べ、軍事行動を直ちに具体化する段階ではないとの認識を示した。米国とイスラエルが特殊部隊の派遣を検討しているとの報道が広がる中でも、政権としてはなお判断を留保している構図が浮かんだ。
米国とイスラエルが、戦局の後半にイラン領内へ特殊部隊を送り込み、高濃縮ウランの備蓄を確保する選択肢を協議していたことが明らかになった。米ニュースサイトのアクシオスが米東部時間7日夜(日本時間8日)、協議に詳しい4人の関係者の話として報じた。核施設への空爆後も、核物質そのものの所在と管理がなお不透明であることが、次の軍事・外交判断を難しくしている。
米国とイランの核問題をめぐる間接協議で、焦点だった「高濃縮ウランの扱い」に新たな枠組みが浮上した。オマーンのバドル外相は米CBSテレビの番組で、イラン側が核兵器製造につながりうる濃縮ウランを「貯めない」方向に傾いたとの見方を明らかにした。発言は米東部時間27日(日本時間28日朝)に放送された。
米国の対イラン制裁の解除を交渉の軸に据え、核開発をめぐる譲歩カードを示す発言が出た。イランのマジド・タフテ・ラバンチ外務次官は15日に公開されたインタビューで、高濃縮ウランの備蓄を減らす措置も議論できるとの考えを述べ、制裁緩和が協議前進の前提だと強調した。
ウィーンの会議場を出た各国代表の表情は硬かった。国際原子力機関(IAEA)の理事会が2025年11月20日、イランに対し高濃縮ウランの在庫と、空爆を受けた核施設の現状を「遅滞なく」報告するよう求める決議を採択したためだ。採択直後、テヘランは査察再開に向けた合意の破棄を正式に通告し、対立は一段と深まっている。
査察官が門前で足を止めた。国際原子力機関(IAEA)は2025年11月12日に加盟国へ回覧した非公開報告書で、6月のイラン空爆後に被害を受けた核施設への立ち入りが続かず、高濃縮ウランの在庫検証が大幅に遅れていると示した。検証の空白は核物質の所在をめぐる不確実性を広げ、外交の足場を弱くする。今回は、止まった査察の実像と数字の意味を、できる限り事実に沿ってたどる。