米Apple、インテルに米国内半導体製造を委託へ暫定合意

Appleとインテル、半導体製造で暫定合意 TSMC依存に米国内の選択肢

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米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは8日、IntelがApple製品向け半導体の一部を製造することで両社が暫定合意したと報じた。5日には、AppleがIntelやSamsungと米国内での製造先を探る探索的協議を行っていると伝えられており、報道上は、検討段階からIntelとの個別交渉が一歩進んだ形だ。ただ、現時点では公式発表ではなく報道ベースの進展にとどまり、対象製品や製造工程、量産時期は明らかになっていない。

TSMC依存に加える第二の選択肢

Appleの主力半導体は長くTSMCが製造を担ってきた。設計をAppleが行い、生産を外部の最先端工場に委ねる体制で、iPhoneやMacなどの競争力を支えてきた構図だ。今回の動きは、この中核体制を直ちに置き換えるというより、供給先を増やしてリスクを分散する狙いがあるとみられる。

米ブルームバーグは5日、Appleがインテルとサムスンを含め、米国内で自社デバイス向け主力プロセッサーを製造する選択肢を探っていると報じた。インテルとの協議は当時、まだ早期段階で最終決定には至っていないとされ、Apple幹部がテキサス州で建設中のサムスン工場を訪れていたことも伝えられていた。

そのため、8日の報道で意味を持つのは、候補の一つだったインテルが具体的な受け皿として前面に出た点だ。Appleにとっては、台湾のTSMCに加え、米国内にも製造の選択肢を持つことになる可能性がある。半導体供給は地政学リスクや災害、工場稼働率の影響を受けやすく、複数の生産ルートを確保することは大手IT企業にとって重要な経営課題になっている。

なお残る製品・工程・時期の空白

今回の暫定合意については、両社が1年以上にわたり集中的に協議し、ここ数カ月で正式な取り決めに向けた内容を詰めたと報じられている。一方で、どのApple製品向け半導体をIntelが製造するのかは明らかになっていない。iPhone向けの中核プロセッサーなのか、Mac向けチップなのか、周辺部品に近い半導体なのかによって、供給網への影響は大きく変わる。

製造プロセスや生産拠点も焦点となる。半導体の「製造プロセス」は、回路をどれだけ細かく作れるかを示す技術の世代で、性能や消費電力、歩留まりに直結する。インテルのどの世代の技術を使うのか、米国内のどの工場が担うのか、量産開始がいつになるのかは、今後の判断材料になる。

AppleとIntelによる正式発表は現時点で確認されておらず、暫定合意の法的拘束力や既存のTSMC向け計画への影響も明らかではない。今回の報道は、Appleが半導体供給網の多角化を進める可能性を示すものだが、TSMCからの全面的な切り替えや大規模な生産移管が決まったとまでは言えない。今後は、両社が正式発表や決算説明、IR資料などでどこまで具体的に説明するかが判断材料になる。

参考・出典

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