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18日の海外報道によると、ラトニック米商務長官はASML幹部に対し、EUV露光装置が米国主導の輸出規制に反して中国へ渡った可能性への懸念を伝えた。ASMLは中国へのEUV装置や専用部品の出荷を否定しており、焦点は事実認定と流通経路の確認に移っている。
対中規制の中核にあるASML装置
ASMLは、最先端半導体の製造に欠かせない露光装置で世界的に中核的な地位を占める。半導体回路をシリコンウエハーに焼き付ける装置で、性能が高いほど微細なチップをつくれる。先端ロジック半導体やAI向けメモリーの製造能力を左右するため、ASMLの装置は単なる民生品ではなく、安全保障政策の対象にもなっている。
オランダは2023年以降、先端半導体製造装置の輸出管理を段階的に強化してきた。2024年9月には一部の液浸DUV装置について、ASMLのTWINSCAN NXT:1970iと1980iもオランダ政府への許可申請対象に加えた。米国はその後もオランダや日本に対し、ASMLや東京エレクトロンなどの対中取引やサービス対応への制約を強めるよう働きかけてきた。
ラトニック氏は2025年6月、米国の重要技術が中国に盗まれるのを防ぐため、対中輸出規制の執行強化が必要だと訴えた。2026年4月には、米議会の超党派議員がASMLなどに関わる対中半導体製造装置輸出をさらに制限する法案を提起した。米国の狙いは、中国が先端半導体を自前で量産する能力を高めるのを抑えることにある。
焦点は流通経路と執行監視
今回の懸念は、ASMLが違法輸出したと認定されたことを意味するわけではない。報道では対象はEUV露光装置とされるが、具体的な型番や世代、完成装置なのか関連部品なのか、どの経路で中国に渡った疑いがあるのかは明らかにされていない。ASMLはロイターに対し、中国へEUV装置やEUV用に特別設計された部品、モジュール、機器を出荷したことはないと説明している。中国側の最終需要家や、米商務省、オランダ当局、ASMLのどこが確認を主導するのかも今後の焦点となる。
仮に規制対象装置の迂回流入が具体的に問題化すれば、追加制裁だけでなく、エンドユーザー確認の厳格化、保守対応の制限、ライセンス審査の強化、第三国経由取引の監視拡大につながる可能性がある。先端装置の対中管理は、販売規制だけでなく、装置や関連部材が実際にどこへ渡り、誰が使い、誰が維持しているのかを確認する執行監視の段階に入っている。
参考・出典
- Lutnick Urges Tougher Enforcement of Export Curbs on China – Bloomberg
- US Seeks Curbs on ASML, Tokyo Electron Work for China’s AI Memory Chips – Bloomberg
- US targets Chinese chipmaking with proposed export restrictions on ASML and others By Reuters
- ASML Faces Tighter Dutch Restrictions on Servicing Chip Equipment in China – Bloomberg
- China Asks Dutch to Ease Chips Export Curbs, Minister Says – Bloomberg
- Europe’s Most Valuable Tech Company Tries to Avoid the Chip War – Bloomberg
