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中国共産党の王毅・中央政治局委員兼中央外事工作委員会弁公室主任は23日、ニューデリーで開かれた第16回BRICS国家安全保障担当上級代表会議で、アフリカでのエボラ流行への対応、AIリスク管理、戦略的鉱物資源を巡る協力強化をBRICS諸国に呼びかけた。中国外務省の会議総括では、参加側が多国間主義の擁護や伝統的・非伝統的な安全保障上の脅威への統合的対応で共通認識を形成したとされた。
安全保障協力の対象拡大
会議はインドのアジット・ドバル国家安全保障担当補佐官の主宰で、ニューデリーで開かれた。王氏は会議終了前に成果を総括し、参加側が国際・地域の懸案の政治解決、伝統的安全保障と非伝統的安全保障の脅威への統合的対応を支持する重要な共通認識を形成したと説明した。
非伝統的安全保障とは、軍事衝突だけでなく、感染症、技術リスク、資源や供給網の不安定化といった国境を越える課題を含む考え方だ。王氏がエボラ、AI、戦略的鉱物資源を並べて取り上げたことは、BRICSの安全保障議題が保健、技術、経済安全保障へ広がっていることを示す。
中国外務省の要旨では、BRICSの安全保障高級代表メカニズムをさらに活用し、重大な国際・地域問題を巡る意思疎通と協調を続ける方向も示された。戦略的鉱物資源は、先端産業や電池などに欠かせない鉱物を指し、安定的な確保は各国の産業政策にも直結する。
次期議長国・中国の布石
BRICSは近年、グローバルサウスの発言力拡大と多国間主義の強化を前面に出してきた。今回の王氏の発言は、その政治・安全保障協力の枠組みに、感染症対応、AIリスク、戦略資源という具体的な政策分野を重ねたものだ。
王氏は、中国が翌年のBRICS輪番議長国を引き継ぐとして、中国での再会と政治・安全保障協力の深化に期待を示した。具体的な制度化や新たな共同措置は示されておらず、今回の段階では協力強化の呼びかけにとどまる。ただ、次期議長国として中国が安全保障分野で議題設定を広げようとしていることはうかがえる。
