OpenAI、中国関連の工作関係者がChatGPTで関税反対やAI政策素材作成

米AIインフラ論争に中国関連工作が便乗 ChatGPTで投稿や漫画を作成

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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OpenAIは6月10日公表の報告書で、中国関連とみられる影響工作の関係者がChatGPTを使い、トランプ米政権の関税政策への反対をあおる内容や、米国内のデータセンター・AI政策をめぐる議論に介入するための素材を作成していたと明らかにした。同社は関連アカウントを停止した。

関税とデータセンター、二つの工作群

確認された活動は二つの工作群に整理された。関税をめぐる工作では、短いコメントや漫画が英語のほか、イタリア語、日本語、繁体字中国語でも作成されていた。内容には、米国が同盟国との結束より自国の利益を優先していると訴えるものが含まれていた。

データセンターをめぐる工作では、送電網の余力や電気料金を題材にした英語投稿や漫画の作成が行われた。OpenAIは、この一部について、中国の地方政府向け業務を請け負う民間テック企業のソーシャルメディア運用チームとみられる利用者が関与したとみている。AIデータセンターの建設をめぐる電力供給や料金上昇への懸念は、実際の地域論争でも争点になりやすいテーマであり、そこに便乗して対立を強めようとした構図だ。

一方で、OpenAIはこれらの活動が大きな拡散には至らなかったとの見方を示した。生成AIは投稿文を短時間で多言語化したり、風刺的な素材を量産したりできるが、今回確認された範囲では、世論形成に成功したとまではいえない。

国内政策論争に広がる生成AI悪用

今回の特徴は、生成AIの悪用対象が選挙だけにとどまらず、通商政策やインフラ立地といった国内政策の争点に及んでいる点にある。悪意ある主体はAIだけで世論を動かすのではなく、SNSアカウントやウェブサイトなど従来型の手段と組み合わせ、既存の不満や懸念に沿う形でコンテンツを作る傾向がある。

ただし、米国内の関税反対論やデータセンター反対論そのものを外国工作とみなすことはできない。データセンター建設をめぐる電力需給や地域負担への懸念は現実の政策課題でもある。OpenAI自身も米国内でAI向け計算基盤の拡張を進め、データセンター候補地を検討している当事者であり、報告の位置づけはその利害関係も踏まえて冷静に読む必要がある。

参考・出典

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