日本、フィリピンの石油備蓄支援 POWERR Asia具体化

日本、フィリピン石油備蓄支援を具体化 ASEAN共同備蓄のロードマップ策定へ

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日本は5月28日の日比首脳会談を受け、アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(POWERR Asia)の下で、フィリピンの国家石油備蓄とASEAN規模の共同備蓄に向けた協力を具体化した。日本が示す約100億ドル規模の金融支援などを含む広域枠組みの一環として、石油備蓄の制度設計や施設整備支援が日比間の具体協力に落とし込まれた。

フィリピンの国家備蓄整備を支援

日本の経済産業省とフィリピン共和国エネルギー省は同日、石油備蓄強化に関する共同声明を発表した。高市首相とフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は東京で会談し、エネルギー安全保障とサプライチェーン強靱性を高める必要性で一致した。

共同声明は、協力の柱としてフィリピン国内の戦略的国家備蓄システムの強化を掲げた。フィリピン側は、新規備蓄施設の整備を含む戦略的燃料備蓄プログラムの策定に取り組む。燃料の輸入に依存する国にとって、備蓄は供給途絶や価格急騰に備える「非常用のタンク」に当たる。

日本側は、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、国際協力銀行(JBIC)、日本の商社やエンジニアリング企業と連携し、必要なフィージビリティスタディや制度整備のための能力構築を支援する。関連プロジェクトでは、日本の政府系機関や民間企業がEPC、つまり設計・調達・建設や資金供給に参画する可能性も探る。

ASEAN共同備蓄への展開

協力はフィリピン一国の国家備蓄にとどまらない。共同声明は、ASEAN規模での共同備蓄の推進も明記した。ERIAが資金面などに関するロードマップを策定し、ASEAN首脳会議とアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合で公表する予定だ。

POWERR Asiaは、アジアの燃料供給不足やサプライチェーン停滞に備える日本の支援枠組みで、原油・石油製品の調達支援に加え、備蓄・放出制度の構築や備蓄タンクの建設・利用への協力を含む。政府が示した金融支援などの規模は約1.5兆円、約100億ドルであり、今回の日比協力はその全体枠の一環として位置付けられる。

今後は、フィリピン国内の備蓄施設の事業規模や整備時期、資金スキーム、さらにASEAN全体の共同備蓄構想をどこまで実効性のある制度に落とし込めるかが課題となる。日本にとっては、エネルギー安全保障をめぐる地域協力を、金融、制度設計、インフラ整備の組み合わせで広げる取り組みとなる。

参考・出典

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