フィリピン国防相 米中緊張緩和でも中国の脅威継続に警戒

フィリピン国防相、中国から「深刻な脅威」 米中対話後も南シナ海で警戒維持

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ロイター通信によると、フィリピンのギルベルト・テオドロ国防相は5月30日、14〜15日の北京でのトランプ米大統領と習近平中国国家主席の会談後に米中間で一定の緊張緩和がみられても、フィリピンは中国から領土面、政治面で「深刻な脅威」にさらされているとの認識を示した。米中首脳外交による対話の機運と、フィリピンが南シナ海などで直面する安全保障上のリスクを切り分けた発言だ。

シャングリラ会合で示した米比同盟への信認

テオドロ氏の発言は、シンガポールで5月29日から31日まで開かれたIISSシャングリラ会合の会場で、ロイターの取材に応じた際に伝えられた。同氏は30日の全体会合の登壇者にも名を連ねており、アジア太平洋地域の安全保障をめぐる議論の場で、フィリピンの立場を示した。

テオドロ氏は、米比相互防衛条約に基づく米国の対フィリピン関与について、トランプ・習会談や中東での戦争によって影響を受けている兆候はないと述べた。同条約は、太平洋地域での武力攻撃時に両国が共通の危険に対処する枠組みで、フィリピンの対中抑止を支える柱となっている。

同氏はまた、米国の関与は日本、カナダ、豪州、ニュージーランドなどとの防衛協力によって補強されるとの見方も示した。米中関係の空気がやや和らいでも、フィリピン側は自国周辺のリスク評価を変えていない。

戦術的な緩和と残る戦略的競争

14〜15日の北京での米中首脳会談では、両首脳が安定的な関係や対話継続を打ち出した一方、台湾や貿易、中東情勢をめぐる主要争点は残った。IISSの会合関連解説も、会談結果は米中関係の「戦術的な変化」にとどまり、戦略的な性格を全面的に変えるものではないとの見方を示している。

こうした中、南シナ海を含む地域安保では、フィリピンの警戒感や米国との同盟に依拠する構図は大きく変わっていない。5月31日には中国人民解放軍南部戦区と中国海警局がスカボロー礁周辺でそれぞれ哨戒を実施したと発表し、同礁周辺での米比合同海上演習後に緊張が続いていることも浮き彫りになった。

フィリピンにとっては、米中対話の継続と、自国周辺での中国の行動への対応を同時に見極める局面が続く。米比の共同演習、防衛インフラ整備、日本や豪州、カナダ、ニュージーランドなどとの協力拡大が、南シナ海での抑止にどう結びつくかが実務上の課題となる。

参考・出典

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