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主要報道によると、政府は2026年秋の臨時国会に向け、重要土地等調査法改正案の提出を調整している。自衛隊基地周辺など安全保障上重要な土地の取得規制を、外国人に限らず国籍を問わない形で強化する方向だ。一方、都市部のマンション価格高騰を受けて浮上していた外国人によるマンション取得規制は、当面見送る方針となった。
安全保障を軸にした規制強化
重要土地等調査法は2021年6月23日に公布され、2022年9月20日に全面施行された。自衛隊基地や原発など重要施設の周辺、国境離島などを対象に、土地や建物の利用状況を調べ、機能を妨げる使い方があれば勧告や命令を出せる枠組みである。
政府は2026年1月23日に決定した「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」で、外国人による土地取得などのルールを引き続き検討する課題に位置付けた。4月30日には「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」の第3回会合を開き、地下水採取規制の調査結果や、不動産登記情報を活用した新築マンション取引の調査結果を扱った。
制度設計が「外国人かどうか」ではなく「安全保障上重要な土地かどうか」に傾く背景には、外国人だけを対象にした規制が国際協定との関係で難しいとの判断がある。国籍を問わない仕組みにすれば、外国人が実質的に支配する日本人や国内法人による取得も射程に入れやすい。5月下旬には、自民党の外国人政策に関するプロジェクトチームのとりまとめ案でも、法改正による規制強化や調査対象拡大が念頭に置かれていることが報じられた。
マンション規制は切り分け
今回の調整では、都市部マンションの取得規制を改正の本丸にはしない。外国人だけを対象にする購入規制には法的なハードルがあるうえ、国土交通省の調査で、2025年1~6月に保存登記された東京都の新築マンションのうち、国外に住所がある者による取得割合は3.0%にとどまった。この調査は国籍ではなく住所地に基づくもので、当面の見送り判断を説明する材料の一つと位置付けられる。
今後の焦点は、改正案で対象となる「安全保障上重要な土地」の範囲、既存の事前届出の対象を広げるか、取得時の審査や制限を新たに設けるか、命令や罰則をどこまで整えるかに移る。個人名義だけでなく、国内法人や実質支配関係をどう把握するかも制度の実効性を左右する。
政府・与党の議論は、安全保障上重要な土地の管理と、価格高騰対策としてのマンション規制を切り分ける方向を強めている。土地取得ルールの見直しは、外国人政策全体の一部でありながら、当面は安全保障リスクへの対応を優先して進む構図が鮮明になった。
