中国と協力する中米要人を標的に 米国の異例のビザ政策が新たな火種に
在ワシントンの中国大使館の担当者がスマートフォンの画面に打ち込んだのは、短い英語の一文だった。「中米は誰の裏庭でもない」。現地時間26日、米国が中米出身で中国と協力する人物を狙い撃ちにした新たなビザ政策を打ち出したことに対し、中国が強い語調で反発した場面だ。
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在ワシントンの中国大使館の担当者がスマートフォンの画面に打ち込んだのは、短い英語の一文だった。「中米は誰の裏庭でもない」。現地時間26日、米国が中米出身で中国と協力する人物を狙い撃ちにした新たなビザ政策を打ち出したことに対し、中国が強い語調で反発した場面だ。
スマホの画面に中国語の注意喚起が次々と流れたのは、11月26日夜のことだ。在日本中国大使館がSNSの公式アカウントで、日本への渡航を控えるよう中国人に改めて呼びかけた。治安の悪化や差別への不安を強く訴える内容で、日本側の受け止めとは大きく食い違っている。
キーボードをたたく音が静かな執務室に響いた。台湾の頼清徳総統が米紙ワシントン・ポストへの寄稿を送り出したのは、緊張が続く台湾海峡をにらんだ一手だった。25日付の寄稿で、総統は今後数年で国防予算を約400億ドル積み増し、米国製の新たな兵器を大規模に購入する計画を初めて具体的に示した。中国の軍事的圧力が強まる中、台湾がどのように抑止力をかたちにしようとしているのかが浮かび上がる。
スマートフォンの画面に、怒りをにじませたコメントが次々と流れ込んだ。ミャンマーの人々が書き込んでいたのは、日本の首相発言を批判した在ミャンマー中国大使館の投稿への返信だ。軍事政権の報道官が台湾有事を巡る高市早苗首相の発言をなじったことを紹介した投稿は、想定外の反応を呼び起こした。矛先は日本ではなく、中国と軍政に向かったのである。
演壇に立った中国の傅聡国連大使が、日本の名を繰り返し挙げた。高市早苗首相の台湾有事発言を巡り、中国は国連総会や書簡、G20やIAEAの場まで使って日本批判を広げ、国際社会に圧力をかけようとしている。
23日夕、外務省のX公式アカウントに、冷静だが強い調子の文章が投稿された。数日前に在日中国大使館が、国連憲章の「旧敵国条項」を持ち出し、日本など第2次大戦の敗戦国に対する軍事行動に言及したことへの、政府としての正面からの応答だった。外務省はこの投稿で、条項は既に「死文化」しており、中国自身もその認識を共有してきたと強調した。
南アフリカ・ヨハネスブルクの会場で、記者に囲まれた小林麻紀内閣広報官がマイクに顔を近づけた。「わが国の立場を変更した事実は全くない」。台湾有事を巡る高市早苗首相の発言に中国が強く反発し、国連には日本を名指しで非難する書簡まで送った。その応酬の只中で、日本政府は関係悪化の歯止めとして対話継続を訴えている。
専用機のタラップを降りる高市早苗首相の歩みは、どこか急いでいるようにも見えた。日本時間22日未明、南アフリカ・ヨハネスブルクで22〜23日に開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に臨むためだ。台湾有事をめぐる国会答弁で日中関係が冷え込む中、中国も参加する場で関係悪化に歯止めをかけられるかどうかが、初参加の首相に重くのしかかっている。
外務省の会議室では、職員たちがぎっしり書き込まれた日程表を前に、消しゴムと鉛筆で予定を組み替えている。日中韓3か国の首脳会談を来年1月に日本で開くという案は、中国側の拒否で白紙に戻った。複数の外交筋によれば、議長国の日本は早期開催を水面下で探ってきたが、高市早苗首相が台湾有事を「存立危機事態になり得る」と国会で述べたことに中国が強く反発し、首脳会談の時期すら協議できない状態になっているという。
国連本部の会議場で演説に立った中国の傅聡国連大使は、日本の高市早苗首相の名をはっきりと口にし、台湾有事をめぐる答弁を批判した。その数日後、今度はグテレス事務総長あての書簡というかたちで、同じ問題を各国に問い掛けようとしている。台湾情勢と安全保障法制を結び付けた発言が、外交の場でどのような重さを持つのかが、改めて突き付けられている。
ヨハネスブルクの会場で各国の担当者が草案の紙束を行き交う一方、米国の首脳席は空いたままだった。今週末のG20サミットに向けてまとめられた文書には、ミサイルからスマートフォンまで支える重要鉱物を、一方的な輸出規制から守るという新たな方針が盛り込まれた。名指しは避けつつも、中国がトランプ米大統領の貿易戦争のさなかに打ち出した大規模な輸出管理を念頭に置いた内容であることは明らかだ。
ワシントンの省庁で、担当者たちが静かに書類をめくっている。その机上にあるのは、半導体大手エヌビディアが開発したAI向け最新GPU「H200」を中国へ輸出してよいかどうかという案件だ。トランプ米政権がこの販売を認めるか検討していることが、2025年11月21日に関係者の証言から明らかになった。
記者団の前で足を止めた高市早苗首相は、険しい表情を保ちながらも言葉を選ぶように語った。台湾をめぐり中国との緊張が続くなかでも、「建設的で安定した関係を築きたい」と強調し、日本政府の台湾に関する立場は変わっていないと念を押した。発言があったのは2025年11月21日、主要20か国・地域首脳会議に向けて出発する直前の羽田空港だった。
米ワシントンの会議室で、厚い報告書のページをめくる音が静かに続いていた。米議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障委員会」が2025年11月18日に公表したのは、中国がフランス製戦闘機ラファールの評判を傷つけ、自国製兵器の売り込みを図ったとする詳細な分析だ。報告書は、2025年5月のインドとパキスタンの紛争後にオンライン空間で展開された偽情報作戦の実態を描き出し、戦場の空だけでなく、ネット上でも「見…
記者たちの前に立った米司法省の担当者が、静かに起訴状の束を掲げた。2025年11月20日、同省は人工知能(AI)向けの米NVIDIA製半導体を違法に中国へ輸出した疑いで、中国人2人を含む4人を逮捕・起訴したと公表した。対象となったのは、対中輸出規制の下で厳しく管理されている高性能GPU(画像処理用半導体)で、輸出先を偽装し、タイやマレーシアを経由させることで当局の目をすり抜けようとしたとされる。
荷揚げ機が甲高い音を立てる中、噴火湾の岸壁ではホタテのかごが次々と持ち上がる。中国が日本産水産物の輸入手続きに揺さぶりをかけていると報じられる一方で、漁業者の表情は意外なほど落ち着いている。2023年夏の全面禁輸以降、米国や東南アジアへ販路を切り替え、「脱中国」を進めてきたことで、港の景色も、売り先の地図も、この数年で静かに変わりつつあるからだ。
ワシントンの国務省で取材陣が見守る中、トミー・ピゴット副報道官の指がキーボードを打つ音が静かな部屋に響いた。2025年11月20日、彼はX(旧ツイッター)に、台湾海峡と東シナ海、南シナ海で武力や威圧による一方的な現状変更を認めないとする短い文章を投稿した。高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁に中国が反発し、日本への圧力を強める中での発信だった。
外務省の会談室で握手を交わしたのは、グラス駐日米大使と茂木敏充外相だった。会談を終えたグラス氏は椅子から立ち上がると、そのまま報道陣の前に歩み出て、中国が日本産水産物の輸入を事実上止めた動きを「典型的な経済的威圧だ」と批判した。高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁に反発して圧力を強める中国に対し、米国として日本を支えるという意思を、あえて東京の中心で言葉にした場面だった。
ソウルの記者会見場で、韓国政府の担当者が静かに口を開いた。中国から、今月中に予定されていた日本と韓国、中国の3カ国文化相会合を見送りたいとの連絡があったと説明し、理由は示されていないと付け加えた。高市早苗首相による台湾情勢をめぐる国会発言で日中関係が冷え込むなか、文化協力の場にも緊張の影が差し込んでいる。
記者からの質問が続く会見場で、日本貿易振興機構(ジェトロ)の担当者が静かに紙をめくった。2025年11月20日、同機構が関わる中国でのイベントなどが、これまでに24件取りやめになったと明らかにしたのである。きっかけは、高市早苗首相が国会で台湾有事を「存立危機事態になり得る」と述べ、中国側が強く反発した一連の動きだ。数字だけを見れば小さく映るかもしれないが、現場では準備を進めてきた担当者や参加予定だ…