本サイトの記事や画像は、AIが公的資料や複数の報道を基に事実関係を整理・再構成し制作したものです。[続きを表示]特定の報道内容や表現を再利用・要約することを目的としたものではありません。ただし、誤りや不確定な情報が含まれる可能性がありますので、参考の一助としてご覧いただき、実際の判断は公的資料や各出典元の原文をご確認ください。[私たちの取り組み]
兵庫医科大学医学部免疫学の中井琢也大学院生、手束祥彩大学院生、黒田悦史主任教授、松下一史講師らの研究チームは、マウスモデルを使い、花粉症などを含むアレルギー性鼻炎の発症にはアレルゲン特異的IgE抗体だけでなく、鼻粘膜でTh2細胞が再活性化されることも必要だと示した。同大学は、研究成果が5月25日に学術誌「Mucosal Immunology」に掲載されたと6月4日に公表した。
血液中IgEだけでは説明できない鼻炎症状
アレルギー性鼻炎では、原因物質に反応するIgE抗体が診断にも使われる。ただ、血液や皮膚で測定されるIgEの量と、くしゃみや鼻水などの症状の強さが必ずしも一致しないことが課題だった。IgEはアレルギー反応の「引き金」として知られてきたが、それだけでは鼻粘膜で実際に症状が起こる仕組みを十分に説明できなかった。
研究チームはマウスモデルで、IgEとTh2細胞を切り分けて調べた。Th2細胞は、アレルギー性炎症を進める免疫細胞の一種である。実験では、IgEとTh2細胞の両方を移入した場合にのみ鼻炎症状が起こり、どちらか一方だけでは症状は誘発されなかった。
さらに、全身に存在するIgEが肥満細胞や好塩基球といったアレルギー反応に関わる細胞を介して、Th2細胞をTfh細胞へ変化させ、鼻粘膜での新たなIgE産生を促すことも示された。Tfh細胞は抗体を作るB細胞を助ける細胞で、局所でIgEが増えることで反応がさらに強まる。今回の成果は、IgEが単なる誘導因子ではなく、アレルギー反応を増幅する因子でもあることを示したものだ。
多重感作の理解につながる可能性
研究では、IgEとTh2細胞がそれぞれ異なるアレルゲンを認識する条件でも、両方のアレルゲンに同時にさらされると、Th2細胞側のアレルゲンに対するアレルギー性鼻炎が起こることが示された。これは、複数のアレルゲンに反応する多重感作や、アレルギーが別の臓器症状へ広がっていくアレルギーマーチの一部を考える手がかりになり得る。
一方で、今回の中核実験はマウスモデルによる基礎研究であり、同じ仕組みがヒトでどこまで当てはまるかは今後の検証課題となる。肥満細胞や好塩基球から放出され、Tfh細胞への変化を促す具体的な分子も十分には解明されていない。成果は新たな治療法開発への応用が期待される段階で、臨床応用や実用化時期を示すものではない。
