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ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、訪問先のロンドンで、ロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏がキーウで面会し、プーチン大統領に和平をめぐるメッセージを届ける意向を示したと明らかにした。ゼレンスキー氏は、ロシア側がウクライナの譲歩の余地を探っていたとの見方を示す一方、東部ドンバスから撤退する考えはないと強調した。
公開書簡と水面下の伝達
ゼレンスキー氏は4日、プーチン氏宛ての公開書簡で、戦争終結を協議するため首脳同士で会談するよう呼びかけた。開催地としてスイス、トルコ、アラブ諸国などを挙げ、米国と欧州の関与も必要だと位置づけた。
FTが関係者の話として伝えたところによると、アブラモビッチ氏のキーウ訪問は5月で、ゼレンスキー氏はプーチン氏との直接会談に応じる用意を示すメッセージを託した。ウクライナ側関係者は、その内容は6月4日の公開書簡に近かったが、公開書簡より対決色は弱かったと説明している。アブラモビッチ氏は2022年の侵攻初期にも停戦交渉の周辺で名前が出た人物で、今回も正式な特使ではなく、水面下の伝達役として浮上した。
プーチン氏は5日、ゼレンスキー氏との会談について「現時点では意味がない」と述べ、提案を受け入れない姿勢を示した。非公式な連絡の存在は確認されたものの、首脳会談や停戦協議が動き出したとはいえない。
ドンバスをめぐる譲れない線
ドンバスはドネツク、ルハンスク両州を含むウクライナ東部の係争地で、ロシアは停戦や和平交渉をめぐって同地域での譲歩を求めている。ゼレンスキー氏は、現在の前線で戦闘を止める案には言及しているが、それは領土放棄ではなく、外交交渉に移るための入り口だと説明している。
その後、英仏独とウクライナの首脳は7日のロンドン会合後の共同声明で、ロシアに即時かつ完全な停戦を求め、現在の接触線を交渉の出発点にすべきだと表明した。欧州と米国の関与を伴う直接対話案も支持しており、ウクライナ側の立場は、停戦協議を探りながらも国境変更を力で認めないという線に置かれている。
アブラモビッチ氏経由の伝達は、ロシアとの連絡が完全に閉ざされていないことを示した。ただし、プーチン氏が直接会談に応じる兆しは乏しく、ドンバスを含む領土条件をめぐる隔たりは依然として大きい。
参考・出典
- Open Letter To the President of the Russian Federation From the President of Ukraine — Official website of the President of Ukraine
- ロシア富豪がキーウ訪問、和平支援を申し出=ゼレンスキー氏 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
- Putin rejects Zelenskyy’s offer to meet, saying he sees ‘no point’ in it | AP News
- Zelenskyy comments on Abramovich’s visit to Kyiv and contacts with Putin | RBC-Ukraine
