NTTドコモビジネスなど3社、東京・名古屋・大阪を結ぶ量子暗号網を構築開始

NTTドコモビジネスなど3社、東名阪600kmの量子暗号通信ネットワーク構築開始

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NTTドコモビジネス、東芝、NECの3社は2026年6月30日、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を結ぶ約600kmの広域量子暗号通信ネットワークの構築を開始したと発表した。構築後、このネットワークを使って量子鍵配送の実証実験を行う。3社の発表では、東名阪を結ぶ約600kmにおよぶ広域量子暗号通信ネットワークは国内初としている。

社会実装へ向けた広域ネットワーク

今回の取り組みは、総務省と情報通信研究機構(NICT)が進める量子鍵配送の社会実装に向けた枠組みの一環だ。研究室内の要素技術にとどまらず、実際の都市圏をまたぐ通信インフラとして構築し、その上で性能や運用性を確かめる段階に進む。

量子鍵配送は、暗号通信に使う「鍵」を量子力学の原理に基づいて安全に共有する仕組みである。NICTは、量子鍵配送とワンタイムパッドを組み合わせた量子暗号通信を、情報理論的に安全な通信方式と説明している。計算能力に依存する従来型の暗号とは異なり、通信の盗聴検知や鍵の安全な共有を前提に、高機密データを長期的に守る技術として位置づけられる。

ニュースの中心は、量子鍵配送の原理そのものではなく、東名阪という日本の主要経済圏を約600kmのスパンで結ぶ広域ネットワークの構築に着手した点にある。これは単一の通信距離記録ではなく、複数の都市圏をつなぐ実証インフラとしての規模を示すものだ。

先行実証からインフラ構築段階へ

日本ではNICTが2010年からTokyo QKD Networkを稼働させるなど、量子暗号通信の実証基盤整備が続いてきた。今回の案件は、こうした都市圏や研究拠点での蓄積を背景に、三大都市圏を結ぶ広域インフラの構築へ踏み出す位置づけとなる。

東芝、NEC、NICTは2025年7月、IOWNのオール光ネットワークを想定した環境で、量子鍵配送信号の多重伝送と鍵生成に成功したと公表している。東芝も2025年8月、総務省委託研究開発として、量子鍵配送技術の高度化や通信インフラ連携を通じた早期社会実装に向けた研究開発開始を公表しており、今回の構築開始はその延長線上にある。

今後は、ネットワークの完成時期に加え、長距離環境での性能、安定性、安全性、実運用を見据えた運用性の検証結果が焦点となる。医療、金融、電力など高機密データを扱う分野での有効性や、ビジネスモデル、新たな利用領域の検討がどこまで進むかも注目される。

参考・出典

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