米AI企業Anthropic、マイクロソフト設計チップ搭載サーバー利用を協議

Anthropic、マイクロソフト製AIチップ利用を協議 Claude需要増で基盤多様化か

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米テックメディアThe Informationは5月21日、生成AI企業Anthropicが、需要増に対応するため、マイクロソフト設計のAIチップを搭載したサーバーの利用を巡り協議していると、事情に詳しい2人の関係者の話として報じた。Reutersも同日、この内容を伝えた。協議は初期段階で、契約成立や導入決定は確認されていない。マイクロソフトは噂や憶測にはコメントしないとし、AnthropicもReutersの照会に直ちには回答していない。実現すれば、マイクロソフトが進める自社半導体戦略にとって、外部の有力AI企業による利用実績につながる可能性がある。

Azure提携から半導体利用への広がり

協議の背景には、AnthropicのAIサービス需要の拡大がある。Claudeのような大規模AIモデルを提供するには、膨大な計算資源が必要になる。利用者や企業向け導入が増えれば、クラウド上のサーバーやAI向け半導体をどれだけ確保できるかが、サービス拡大の制約になりやすい。

マイクロソフトとAnthropicの関係は、すでにクラウドや製品連携の段階まで進んでいる。2025年11月18日、マイクロソフト、NVIDIA、Anthropicは戦略的提携を発表し、AnthropicがAzure上でClaudeを拡大展開することや、Azureの計算資源を300億ドル分購入することを明らかにした。同日、AnthropicはClaude Sonnet 4.5、Claude Haiku 4.5、Claude Opus 4.1がMicrosoft Foundryで公開プレビューとして利用可能になり、Microsoft 365 Copilotでも提供が拡大すると発表した。

今回の焦点は、こうした「クラウド上でClaudeを使えるようにする」関係が、さらに下の層である半導体にまで広がるかどうかにある。2025年の提携ではNVIDIA基盤が前面に出ていたが、今回の協議は、計算基盤の選択肢にマイクロソフト製シリコンが加わる可能性を示す。これはNVIDIAからの離脱ではなく、AI需要の急増に対応するための基盤多様化という文脈で捉えるべき動きだ。

Maia戦略の試金石

マイクロソフトは2023年11月15日、自社設計チップとして「マイクロソフト Azure Maia AI Accelerator」と「マイクロソフト Azure Cobalt CPU」を公表した。MaiaはAIと生成AI向けに最適化された半導体で、クラウド上でAIモデルを動かすための中核部品に当たる。2026年1月26日には、推論向けAIアクセラレーター「Maia 200」も発表した。推論とは、学習済みのAIモデルが利用者の質問に答えたり、文章や画像を生成したりする実行段階を指す。

大手クラウド各社は、NVIDIA製GPUに頼るだけでなく、自社設計チップを組み合わせる動きを強めている。理由は明快で、AI需要が急増するなか、半導体の確保、コスト、性能を自社サービスに合わせて最適化する必要があるためだ。Anthropicのような有力AI企業がマイクロソフト製チップ搭載サーバーを実運用で使うことになれば、Maiaが自社サービス向けにとどまらず、外部顧客の需要も取り込めることを示す材料になる。

一方で、今回の案件はまだ試金石の段階にある。協議対象となるチップの世代がMaia 100系なのかMaia 200系なのか、今回の利用用途が推論中心なのか学習まで含むのか、導入時期や契約規模、サーバー台数は明らかになっていない。正式契約の有無も確定しておらず、現時点で言えるのは、マイクロソフトの自社設計AI半導体が外部の有力AI企業の選択肢に入り得る局面が浮上したという点である。

参考・出典

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