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経済産業省は2日、2022年8月に策定した「蓄電池産業戦略」を「蓄電池・電源産業戦略」に改訂した。日本企業のグローバル市場での蓄電池関連売上高を2025年から2035年に3倍へ伸ばす目標を掲げた。リチウムイオン電池の世界市場は2025年の23兆円から2035年に46兆円へ拡大するとの見通しも示した。
電池単体から電源システムへ広がる戦略
今回の改訂では、戦略の名称に「電源」を加えた。戦略の射程は電池セル単体にとどまらず、パック、モジュール、蓄電システムなどを含む電源システム全体へ広がる。電池を作るだけでなく、電気をため、制御し、必要な場所に安定して供給する仕組みで競争力を高める考え方だ。
背景には、世界的な過剰供給構造や、重要鉱物・部材をめぐるサプライチェーンリスクの顕在化がある。加えて、AIデータセンター、医療、防災などでは、停電時にも電力を確保し、電気を細かく制御する需要が高まっている。蓄電池は電気自動車向けだけでなく、社会インフラを支える装置としての意味合いを強めている。
国内生産と次世代電池も柱に
改訂戦略は、2030年から2030年代半ばまでに国内製造基盤150GWh/年を確立する目標も掲げた。GWhは電池にためられる電力量を示す単位で、年150GWhは国内で大規模に蓄電池を供給できる体制を整えることを意味する。
次世代技術では、2030年ごろに全固体電池を本格実用化し、2030年代半ばに向けて需要規模に応じた製造基盤を確立する方針だ。全固体電池は、安全性や性能の高さが求められる次世代電池の代表的技術で、電気自動車や産業用途での実用化競争が進んでいる。
経済産業省は、国内基盤の拡充、上流資源の確保、サプライチェーンの強靱化、次世代技術の開発など7つの政策の柱に沿って官民一体で取り組む。今後は、売上高3倍の目標を用途、地域、製品群ごとの実行策にどう落とし込むかが問われる。
