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経済産業省と財務省は2026年6月19日、中国・台湾製のニッケル系ステンレス冷延鋼帯・冷延鋼板を巡るアンチダンピング関税調査で、不当廉売がされた貨物の輸入と、それによる国内産業への実質的損害等の事実を推定する仮の決定を公表した。両省は同日、利害関係者から提出された証拠などをさらに検討するため、調査期間を4カ月延長し、2026年11月21日までとすることも決めた。
対象はニッケル系ステンレスの冷延材
調査対象の正式な案件名は「中華人民共和国産並びに台湾、澎湖諸島、金門及び馬祖から成る独立の関税地域産ニッケル系ステンレス冷延鋼帯及び冷延鋼板」である。一般的なステンレス鋼板全般ではなく、冷間圧延をしたステンレス鋼のフラットロール製品のうち、ニッケル含有量が全重量の0.6%を超えるものが対象となる。表面に孔を開けた製品など、一部の製品は対象から除かれる。
対象品は、鉄に10.5%以上のクロムを含む合金鋼で、耐食性と意匠性を兼ね備え、幅広い需要分野で使われる。通関上の分類では、HS7219.31、7219.32、7219.33、7219.34、7219.35、7219.90、7220.20、7220.90に該当する。HS分類は、輸出入時に品目を特定するための国際的な番号体系だ。
この調査は、日本製鉄、日本冶金工業、ナス鋼帯、日本金属の4社が2025年5月12日に課税を申請したことを受け、政府が同年7月22日に開始していた。アンチダンピング関税は、通常より不当に安い価格で輸入された品物が国内産業に損害を与える場合に、追加関税で価格差を是正する制度である。
今後の焦点は税率と適用時期
今回の仮の決定は、不当廉売がされた貨物の輸入と、当該輸入が国内産業に与える実質的損害等の事実を政府が推定した段階であり、課税が正式に決まったわけではない。中間報告書では、供給者別の不当廉売差額率が中国側で33.29%または45.32%、台湾側で3.86%または20.71%と示された。今後は利害関係者からの証拠提出や意見表明を受け、最終的な課税の要否を判断する手続きが続く。
輸入者や需要家への実務的な影響は、最終判断、具体的な課税水準、適用時期によって変わる。今回の案件はニッケル系ステンレス冷延材を対象とするもので、6月1日に始まった韓国・中国・台湾産の熱延鋼帯・鋼板、冷延鋼帯・鋼板を巡る別件調査とは切り分けて見る必要がある。
