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帝京大学は2026年6月15日、米田美佐子特任教授らの国際共同チームが開発した日本発のニパウイルスワクチンについて、ベルギーで第1相臨床試験を開始したと公表した。同日、最初の被験者への投与も実施した。致死率の高い新興感染症への備えとして、国内発のワクチン候補がヒトでの初期評価に進んだ。
ヒトでの安全性と免疫誘導性を検証
第1相臨床試験は、ワクチンを人に投与した際の安全性と、免疫反応を引き出せるかどうかを調べる初期段階の試験である。感染を防ぐ効果を確認する段階ではなく、実用化に向けた最初の関門に当たる。
研究グループには、帝京大学先端総合研究機構の米田美佐子特任教授、甲斐知惠子特任教授、藤幸知子准教授らが名を連ねる。臨床試験用ワクチン製剤の製造と、前臨床での有効性・安全性評価を終え、ベルギーの規制当局の承認を取得したうえで試験開始に至った。
ニパウイルス感染症は高病原性の新興感染症として警戒されている。今回の投与開始は、研究室段階や動物試験などの前臨床段階を越え、日本発のワクチン候補が臨床段階に入った節目となる。
欧州側の手続きを経た初期臨床入り
欧州側では2025年10月、ベルギー当局がニパウイルス感染予防を目的とする遺伝子組換えワクチンの臨床試験について意見公募を告知していた。2026年2月には欧州ワクチン・イニシアチブが、このワクチン候補のヒト初回投与を伴う試験への支援を公表していた。
第1相試験では、安全性と免疫誘導性に関するデータを集める。感染予防効果の評価や実用化の見通しは今後の段階に残るが、日本発のワクチン候補が実投与を伴う初期臨床試験に入った意味は大きい。
