F-22から無人機を直接操作 人とAIが並ぶ新たな空戦がネバダで実現
タブレット端末に触れた指先に合わせて、遠く離れた無人機が静かに進路を変える。そんな場面が2025年10月21日、米ネバダ州のネバダ試験訓練場で実現した。F-22戦闘機のコックピットから無人航空機MQ-20を直接操作するという前例の少ない飛行試験で、人間とAIが組んだ新しい空の戦い方が、一歩現実に近づいたのである。
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タブレット端末に触れた指先に合わせて、遠く離れた無人機が静かに進路を変える。そんな場面が2025年10月21日、米ネバダ州のネバダ試験訓練場で実現した。F-22戦闘機のコックピットから無人航空機MQ-20を直接操作するという前例の少ない飛行試験で、人間とAIが組んだ新しい空の戦い方が、一歩現実に近づいたのである。
診察室のモニターに、手術から10年が経った女性患者の右目の画像が映し出された。神戸市立神戸アイセンター病院の医師たちは、異常な影がないか慎重に確認する。この女性は2014年、iPS細胞から作った網膜の細胞シートを世界で初めて移植された人だ。その細胞が長い年月を経てもがん化していないと分かり、現場には安堵が広がった。
滋賀県東近江市の工場ラインで、防塵服に身を包んだ作業者が細いフィルムのロールを慎重に巻き取っている。そのフィルムは、電源を入れるだけで車の窓を透けた状態から真っ黒な壁のように変える、TOPPANの液晶調光フィルム「LC MAGIC ノーマルブラック」だ。車内を移動のための座席ではなく、くつろぐ居住空間として使ってほしいという狙いが込められている。
会見場でマイクを握った研究者が、長く待たれてきた言葉を口にした。希少難病ミトコンドリア病に挑む世界初の治療薬候補「MA-5」が、いよいよ患者を対象にした第2相臨床試験へ進む。生命維持に欠かせないエネルギー産生の異常で多臓器に障害をもたらすこの病に、新たな一手が投じられようとしている。
マイクの前に立った東京農工大学の高木康博教授は、手のひらに載る試作レンズを掲げ、「次の情報端末はここに入る」と静かに語った。2025年10月、日本初のスマートコンタクトレンズに関する共同事業体が立ち上がり、日本の研究機関と企業が一体となって新しい「身に着けるコンピューター」を形にしようとしている。
遠隔操作の着陸を終えた大型無人機が、滑走路上で動かないまま静止していた。海上保安庁の無人航空機「シーガーディアン」が2025年11月23日夜、北九州空港に降りた後、後部プロペラなどの損傷が見つかったと24日に発表された。人の命への被害はなかったが、新しい海の目となる機体で何が起きたのかが注目されている。
顕微鏡のステージが静かに動き、その上で細い針が実験用プレートの決められた位置をなぞる。2025年11月20日、軸受で知られるNTNは、この針先を使った「微細塗布装置」によって、iPS細胞由来の心筋細胞を狙った場所へ自動で並べる新しいバイオプリンティング技術を公表した。人の手でスポイトを扱ってきた創薬実験の現場に、工場生まれの精密塗布技術が入り込もうとしている。
銅箔の上に塗った灰色の膜を、研究者が慎重にはがしていく。その薄い層が、次世代蓄電池の性能を左右する負極となるからだ。鳥取大学と日本新金属は、高結晶性の酸化タングステンを使った新しい負極材料を共同で開発し、20日に公表した。リチウムイオン電池などの高性能化と、タングステン資源の有効利用を同時にねらう取り組みである。
AI向け半導体の製造現場では、検査担当者がわずかな欠けを見逃すまいとウエハーを覗き込む。その足元を支える部材を巡り、日本ガイシが大きく舵を切った。チップレットと呼ばれる次世代の集積方式に使うセラミック製支持材「ハイセラムキャリア」の生産能力を、2027年度までに現在の約3倍へ引き上げる計画である。2030年度に売上高200億円規模を目標に掲げ、急拡大する次世代半導体市場をにらんだ投資に踏み出した。
マイクを握った島田明社長の隣に、東大発スタートアップOptQCの高瀬寛社長が並んだ。2025年11月18日、NTTは両社と組み、27年に1万量子ビット規模(量子情報の最小単位の数)、30年には100万量子ビット規模の光量子コンピューター実現を目指すと発表した。極低温や真空を必要とする現在の量子計算とは異なり、常温・常圧で動く新しい計算基盤を社会に届けようとしている。
テネシー州で開かれたエネルギー産業の会合で、米エネルギー省の担当者が一枚の資料を掲げた。そこには、米政府自らが大型原子炉をまとめて購入し、所有する構想が示されていた。想定されるのは最大10基で、その建設費の一部として、日本が約5500億ドルの対米投資を約束した枠組みを活用する案が語られた。AIデータセンターや工場の電力需要が急伸する中、両国の資金と政策が原子力で結びつきつつある。
マウスの脳から取り出した神経細胞を前に、研究者たちはわずかな変化を追い続けてきた。その粘り強い観察の先で、理化学研究所とスウェーデンのカロリンスカ研究所などの国際チームが、アルツハイマー病の新しい治療標的になり得る受容体たんぱく質を見つけた。細胞表面にあるこの受容体に結合する物質を薬として設計できれば、現在より手の届きやすく、安全性の高い治療薬につながる可能性があるという。
実験室のテーブルに並ぶ小さなセルを、研究者が慎重に計測している。その中身は、GSアライアンスが2025年11月に発表した、負極にアルミニウムを使い水系電解液で動作する新しい二次電池だ。リチウムイオン電池の代わりとなる蓄電池が求められる中、安全性とコストの両方を意識した一歩として注目されている。
御坊市の日高港工業団地で、長く行き先が定まらなかった広い造成地に新しい煙突が立ち上がった。2025年10月末、和歌山御坊バイオマス発電所の竣工式が開かれ、地元の行政や企業、住民代表が集まった。隣接する関西電力御坊火力発電所2号機が同じ時期に役目を終えるなか、再生可能エネルギーを軸にした新たな拠点づくりが、地域経済の不安と期待を同時に映し出している。
受注の知らせが社内を駆け、現地では準備が動き始めた。太陽工業はドバイの現地法人を通じ、サウジアラビアのアラムコ・スタジアムで膜部分の設計・製造・施工を担う。工期は2026年1〜6月。開業は同年6〜7月を見込み、翌年の大規模サッカー大会の会場に備える。軽く透光性のある膜が、暑熱の地に新しい観戦環境をもたらす。
緩やかなカーブの公道を試験車両が走るたび、基地局と端末のAIが瞬時に送受信を調整した。NTTドコモはNTT、Nokia Bell Labs、SKテレコムと共同で、6Gに向けたAI活用の無線技術を神奈川県横須賀市の屋外で検証し、リアルタイム送受信の実証に成功した。AIを使わない場合と比べ、同条件で通信速度(スループット=一定時間あたりの実効通信量)が最大で2倍以上に達したという。
実験装置の前で技術者が周波数ダイヤルを回す。三菱電機が、プラスチックのケミカルリサイクル(化学反応で樹脂を分解し再資源化する手法)で用いるマイクロ波加熱について、世界最高の分解効率を実現する技術を開発したと発表した。周波数の選定と配合の最適化、装置構造の見直しを重ね、従来比5倍の効率と連続運転への道筋を示したという。
冷却水の流れが切り替わるたび、車内の見えない温度が整う。ミクニは車載電池の熱管理に使う水冷式サーマルマネジメントモジュールを開発し、提案を始めた。走行状況に応じて冷却水を賢く制御し、電池の劣化を抑えて長寿命化につなげる狙いだ。電動車全体の効率と安心に踏み込む一手である。
試料の混合比を少しずつ変え、電気がどれほど通るかを確かめる測定が続いた。東北大学の黄錚大学院生と大野真之准教授、米レンセラー工科大学のプラシュン・ゴライ助教授らは、塩化物系固体電解質で酸素が果たす役割を丁寧にほどき、伝導を左右する鍵が「どの酸素か」にあることを示した。成果は全固体電池の設計指針につながる。
製作ラインで石こうボードを留める手順が変わった。清水建設は木質耐火部材「スリム耐火ウッド」の新工法を公表し、製作時間を半分、コストを約20%抑える道筋を示した。国土交通大臣認定も取得し、2025年11月6日に発表後、現場への適用を順次進めている。