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ホワイトハウスは2026年8月13日(米国時間)、建造の遅れやコスト増に直面する米海軍と造船産業基盤を立て直すため、調達や艦艇設計、造船能力を幅広く見直すトランプ大統領の覚書を公表した。その施策の一つとして、フォード級空母4番艦「USS Doris Miller(CVN-81)」では電磁式発艦装置を蒸気式へ変更する計画を策定する。
CVN-81ではEMALSから蒸気式へ変更
覚書は、米海軍の艦艇建造が複雑な設計や度重なる設計変更によって遅れ、コスト増や計画中止につながってきたと指摘した。さらに、造船所の能力不足や競争の乏しさも問題として挙げ、艦艇の設計・装備から造船所の拡充、調達方法までをまとめて見直す方針を示した。
カタパルトの変更と海外造船所の活用は、この海軍再建策の中に盛り込まれた別々の施策となる。
覚書は国防総省と海軍に対し、CVN-81に採用予定だった電磁式航空機発進システム「EMALS」と先進兵器エレベーターを、それぞれ蒸気式と油圧式へ変更するための計画を60日以内に提出するよう求めた。
AP通信によると、トランプ氏は第1次政権時代からEMALSを繰り返し批判し、従来の蒸気カタパルトを支持してきた。今回の覚書によって、その方針をフォード級4番艦から具体的に反映させることになる。
既存の「USS Gerald R. Ford」と、建造が進む「USS John F. Kennedy」「USS Enterprise」は今回の変更対象とされていない。
造船能力不足には海外企業も活用
EMALSなどを手がけるゼネラル・アトミクスは、CVN-81向けの発艦・着艦装置の作業がすでに約半分まで進んでいるとして、設計変更にはコスト、日程、システム統合上のリスクがあると指摘した。
現段階で決まったのは変更に必要な計画の策定であり、実際の改設計や換装が完了したわけではない。費用や完成時期への具体的な影響も確定していない。
一方、造船能力そのものを増やす施策として、覚書は外国の造船会社を活用する「フィンランドモデル」の導入も打ち出した。
外国企業が米国内の造船所へ投資し、米国人の雇用・訓練や技術移転などを行うことを条件に、最初の最大2隻を海外の親会社側の造船所で建造できる仕組みとする。その後の艦艇は米国内で建造する。
つまり今回の覚書は、空母の発艦装置だけを変更する指示ではない。艦艇の装備や設計、調達方法、造船所の能力まで含め、米海軍の艦艇建造体制を一括して組み直す政策となっている。
