インド政府とロシア政府、EV電池向けリチウムで予備協定へ

インドとロシアが重要鉱物協力を協議 リチウムとレアアースの加工技術も対象に

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複数の報道によると、インドとロシアは、重要鉱物の探査、加工、技術協力を含む予備協定の締結に向けた協議を進めている。対象の中心は、電気自動車(EV)用電池などに使われるリチウムと、モーターや電子部品に欠かせないレアアースで、2026年5月12日の報道時点では、約2カ月以内に署名する可能性がある。

探査から加工まで広げる協力枠組み

今回の協議の焦点は、鉱山の探査にとどまらない。採掘した鉱石を使える素材に近づける加工や、レアアースの分離・精製に関わる技術協力、さらに企業投資を後押しする枠組みまで視野に入る。重要鉱物は、見つけるだけでは産業に使えない。電池材料や磁石材料として使うには、選鉱、精製、分離といった工程が必要で、ここが供給網のボトルネックになりやすい。

インドは、中国への依存を抑えながら、エネルギー転換とインフラ整備を支える鉱物供給源を増やす方針を掲げている。リチウムは蓄電池、レアアースはEVや風力発電、先端電子機器に使われるため、安定調達は製造業政策そのものに直結する。ロシアとの協力は、資源外交に加え、供給網の上流から中流までを広げる試みとなる。

印ロ間では、2026年2月にインドのTEXMiN FoundationとロシアのGIREDMETが、レアアース・重要鉱物技術をめぐる協力枠組みを結んでいる。対象は探査から分離・精製、先端材料までを含み、今回報じられた予備協定に先立つ研究・技術協力の接点となっている。

アルゼンチン、豪州、チリに続く調達多角化

インドはすでに海外で重要鉱物の確保を進めている。政府系企業KABILは2024年1月15日、アルゼンチン北西部カタマルカ州の鉱業公社CAMYENと、5つのリチウム鉱区の探査・開発に関する協定を締結した。南米のリチウム資源に直接アクセスする取り組みであり、インドにとって海外鉱区確保の具体例となっている。

KABILはオーストラリアやチリでも案件形成を進めている。インド政府資料では、KABILとオーストラリア政府のCritical Minerals Officeが2022年3月10日、リチウム・コバルト資産の共同デューデリジェンスと共同投資に向けた覚書を結んだ。チリでは国営ENAMIと、塩湖型リチウム鉱区の探査に向けた秘密保持契約を締結している。

インド政府は国家重要鉱物ミッションを進め、国内制度の整備と海外資産の確保を並行している。ロシアとの予備協定は、アルゼンチン、オーストラリア、チリでの取り組みに続き、供給源と技術協力先を広げる動きに位置付けられる。ただし現段階では予備協定の署名に向けた協議であり、個別鉱区の取得や供給開始が決まったことを意味するものではない。

参考・出典

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