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楽天モバイルとKDDIは、NEDOのポスト5G研究開発事業で、テーマ「仮想化基地局と計算基盤の同時最適化技術の開発」に採択された。両社は共同研究開発を通じ、2030年度までにデータセンターとRAN(無線アクセスネットワーク)の消費電力を約40%削減することを目指す。
データセンターと基地局を一体で省電力化
採択は13日付で、両社が15日に公表した。対象はNEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発」の一部で、次世代通信基盤の性能向上だけでなく、省電力化と持続可能性を重要な開発テーマに据える。
今回の特徴は、基地局側のRANだけでなく、その処理を支えるデータセンター側まで含めて電力消費を抑えようとする点にある。通信量が増えれば、アンテナや基地局装置だけでなく、仮想化された基地局機能を動かすサーバー群の負荷も高まる。そこを別々に最適化するのではなく、通信設備と計算基盤をまとめて調整する狙いだ。
KDDIは、モバイル通信技術の研究開発と商用運用で長年の実績を持ち、国内外で大規模データセンターを運用してきた知見も有する。楽天モバイルは、仮想化Open RANをベースにした大規模商用ネットワークを構築し、クラウド・RAN向けソフトウェアやSMOを自社開発・運用している。通信運用とデータセンターの知見を持つKDDIと、仮想化ネットワークのソフトウェア運用に強みを持つ楽天モバイルが補完し合う構図となる。
省電力技術の実装実績を土台に
AI・自律化技術の実装実績を土台に
両社には、今回の共同研究開発につながる直近の取り組みがある。楽天モバイルは2月、楽天シンフォニーと共同開発したRAN省電力化ソリューションについて、従来の同ネットワークと比較してRAN消費電力を約20%削減できると公表した。KDDIとKDDI総合研究所も同月、基地局パラメーターを複数のAIで自律最適化する技術を一部エリアの基地局に導入し、2026年度中に全国へ順次広げる方針を示している。
RANはスマートフォンなどの端末と通信網をつなぐ入り口であり、全国に多数設置される基地局が電力を使う。さらに、仮想化が進むと、基地局機能の一部は汎用サーバー上で動くため、データセンターの電力効率も通信インフラ全体のコストと環境負荷を左右する。約40%削減という目標は、基地局単体の節電ではなく、ネットワーク全体の設計を見直す取り組みであることを示している。
今後の焦点は、両社の具体的な役割分担、技術メニュー、実証計画、削減率の算定条件、社会実装までの道筋となる。今回の採択は、2030年度に向けた研究開発の開始を示すものであり、現時点で省電力効果の達成を意味するものではない。通信インフラの需要拡大と電力消費の抑制をどう両立させるかが、ポスト5G時代の重要課題として浮上している。
参考・出典
- 楽天モバイルとKDDI、NEDOの研究開発事業「仮想化基地局と計算基盤の同時最適化技術の開発」に採択 | プレスリリース | 楽天モバイル株式会社
- Rakuten Mobile and KDDI Selected by Japan’s NEDO for R&D Project to Optimize Virtualized Infrastructure for Sustainable Telco | KDDI News Room
- 「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(補助)」の実施体制の決定について | 公募 | NEDO
- 複数のAIが協力するエリア最適化技術を全国の基地局に導入 | KDDI News Room
- 楽天モバイルと楽天シンフォニー、商用Open RANネットワークにおけるRAN省電力化でTM Forumより世界初の「自律型ネットワーク レベル4」認定を取得 | プレスリリース | 楽天モバイル株式会社
