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16日付の報道によると、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は同日、片山さつき金融担当相との面会後、OpenAIと協業し、日本の重要インフラ向けサイバーセキュリティー新事業を進める意向を示した。電力、交通、空港、金融機関など約3000の重要インフラを念頭に防御策を作る構想で、正式な事業開始の発表ではない。
企業向けAI提携から重要インフラ防御へ
OpenAIとソフトバンクグループ、Arm、ソフトバンクは2025年2月3日、日本で先端的な企業向けAI「Cristal intelligence」を開発・販売する提携を公表した。日本企業向けには合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立し、企業のシステムやデータに合わせたAI活用を進める構想を示していた。ソフトバンクグループはその後、2026年2月27日にOpenAI Group PBCへ総額300億ドルを追加投資する契約を結び、同年4月1日に第1弾として100億ドルを実行したと発表している。
今回の構想は、こうした既存の関係を土台に、AIの活用領域を企業向けAIサービスから社会基盤の防御へ広げる動きと位置付けられる。サイバー攻撃は発電所や交通網、金融決済などの停止に直結するため、重要インフラ向けの防御策は企業のIT対策にとどまらず、社会全体の安全保障に近い意味を持つ。
金融分野で先行するAIリスク対応
金融庁は2026年4月24日、「AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連絡会議」を開き、金融システムのサイバーリスクに対応する作業部会を立ち上げた。高度なAIはシステムの弱点を見つける防御にも使える一方、攻撃側が悪用すれば侵入手口の高度化にもつながる。金融当局が警戒を強める背景には、この両面性がある。
片山氏は5月29日、OpenAIの最新フロンティアAIモデル「GPT-5.5-Cyber」について、米国政府と調整したうえで日本の一部金融機関にアクセスを付与する説明を受けたと述べていた。OpenAIも同日、日本でのサイバーセキュリティ協力を金融分野から始め、将来的に重要インフラ分野へ段階的に広げる方針を示している。一方、孫氏が示した新事業構想については、事業主体、提供開始時期、対象事業者の選定方法、政府・規制当局との関係など、具体的な枠組みはまだ明らかになっていない。
