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ソフトバンクグループは6月24日、東京国際フォーラムで第46回定時株主総会を開いた。総会を報じた複数メディアによると、孫正義会長兼社長は2042年にNAV(保有株式の時価評価額から純有利子負債を差し引いた純資産価値)を1000兆円へ引き上げる長期目標を示した。OpenAI関連のAIモデル、ロボット、Armを軸にした半導体、欧米でのAIインフラの4分野で世界首位を目指す方針も打ち出した。
NAV1000兆円へ掲げた4本柱
NAV1000兆円は、2026年6月23日時点の約74兆円に対して約14倍の水準となる。NAVは投資会社としての実質的な純資産価値を示す指標で、ソフトバンクグループが保有する企業や事業の価値をどこまで膨らませられるかが焦点になる。
成長の中核に据えたのは、OpenAI関連のAIモデル、ABBロボティクス事業の買収合意などを含むロボット、Armによる半導体、欧米での大規模データセンター開発を含むAIインフラだ。ABB案件は2026年後半の買収完了予定で、規制当局の承認などを前提とする未完了案件として扱う必要がある。生成AIを動かす「頭脳」、現実世界で動くロボット、計算を支える半導体、電力と計算資源を備えたインフラまでを一体で押さえる構想である。
一方、総会の正式な決議事項としては、期末配当、定款の一部変更、取締役9人の選任が承認された。定款変更では、AIを利用した各種サービスやソフトウェア、システムの企画・開発・提供に関する事業、半導体関連事業の文言が追加された。孫氏や後藤芳光氏、Armのレネ・ハース氏らが取締役に選任され、AIと半導体を軸にした事業領域の制度面の整理も進んだ。
短期業績ではなく2042年を見据えた企業価値シナリオ
今回の発信は、直近の業績予想ではなく、2042年を見据えた企業価値拡大の長期ビジョンという位置づけだ。1000兆円という数字は法的な達成約束ではなく、AIを中心に投資先と事業基盤を広げるための到達目標である。
今後の焦点は、ABBロボティクス事業買収の完了条件と統合方針、OpenAI関連事業の収益化の道筋、欧米で進めるAIインフラの地域展開と資金計画に移る。1000兆円に至る途中のマイルストーンや、投資拡大に伴う財務規律をどう示すかも問われることになる。
会社側は株主総会ページの免責事項で、掲載情報や将来見通しは作成時点の情報に基づき、実際の結果と大きく異なる可能性があると説明している。正式に承認された配当や定款変更、取締役選任と、孫氏が示した長期ビジョンは分けて見る必要がある。
