“特大級”の影に終止符 農地を脅かしたヒグマ、ついにわなへ
重い金属の扉の奥で、黒い塊が静かに横たわっていた。2025年11月25日早朝、北海道苫前町の山あいに設置された箱わなに、体重約380kgとみられる雄のヒグマがかかっているのを、猟友会のメンバーが確認した。夏から町を揺らしてきた巨大な足音との長い駆け引きが、この瞬間ひと区切りを迎えたのである。
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重い金属の扉の奥で、黒い塊が静かに横たわっていた。2025年11月25日早朝、北海道苫前町の山あいに設置された箱わなに、体重約380kgとみられる雄のヒグマがかかっているのを、猟友会のメンバーが確認した。夏から町を揺らしてきた巨大な足音との長い駆け引きが、この瞬間ひと区切りを迎えたのである。
猟友会員がレプリカ銃を構え、機動隊員が息を詰めて距離を測る。2025年11月12日、滝沢市の県滝沢森林公園で、岩手県警と警察庁派遣の駆除チームがクマ対応の講習に臨んだ。13日からは警察官がライフル銃で駆除できる新運用が始まる。現場の判断と安全、その最前線が動き出す。
受けた通報を頼りに農道を見回っていた猟友会員の男性が、突然の一撃に身をすくめた。2025年11月12日午前、新発田市二本木の見回り中にクマに襲われ、顔と右脚にけが。意識はある。現場では体長約1.5mの雌グマを所持銃で駆除した。押廻で痕跡が見つかったことを受け、市の要請での出動だった。住民を守る最前線の判断が、重みを増している。
わなを確かめに山に入った70代の猟友会員が、林から現れたクマに襲われた。糸魚川市は11月7日、市内で10月27日に発生したこの人身被害を公表した。男性は右腕を骨折し右ひざにもかみ傷。自力で下山して救急搬送され、入院治療が続く。市は公表までに時間を要したとしている。
箱わなが持ち上げられ、市職員や猟友会と並ぶ迷彩服がゆっくり動き出した。秋田県の緊急要望を受け、防衛省は2025年11月5日、クマ対策支援のため陸上自衛隊を派遣した。人身被害の拡大で現場の手が足りない中、輸送などの後方支援に踏み出した意義は小さくない。
朝の旅館に緊張が走った。2025年11月7日、山形県米沢市の温泉旅館「滑川温泉 福島屋旅館」でクマが館内に入り、家族と従業員が避難する事態となった。現場では警察や市、猟友会が連携し、午前中に緊急銃猟で駆除が実施された。相次ぐ目撃の中、冬季休業中の宿にも及ぶリスクが現実になり、地域の備えと判断の速さが問われた出来事だった。
秋田県湯沢市の中心部で、住宅に入り込んだクマがとどまり続けている。2025年10月20日の早朝、男性4人が相次いで襲われてから2日。市と猟友会は玄関先に箱わなを据え警戒を続け、22日の朝には警察が物音を確認したが、捕獲には至っていない。学校現場でも送迎の呼びかけや屋外活動の見直しが広がり、市街地の不安が長引いていると映る。
8日午前、岩手県北上市和賀町の山林で、キノコ採りに出て行方が分からなくなっていた金ケ崎町の70代男性の遺体が見つかった。頭部と胴体が離れた状態で、クマに襲われた可能性があるとみて警察が調べている。付近にクマがいるおそれがあるとして捜索隊は一時退避し、警察と猟友会が搬出方法を検討している。秋の実りを求めて山に入る季節、警戒の線が改めて引き直される出来事である。