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防衛・安全保障・レジリエンス分野に長期・低コスト資金を供給する新たな多国間金融機関「防衛・安全保障・レジリエンス銀行(DSRB)」をめぐり、カナダが7月7〜8日(現地時間)にアンカラで開かれるNATO首脳会議に合わせ、創設メンバー約10カ国の公表を目指している。ロイターが2日、カナダ側首席交渉官のイザベル・ユドン氏への取材として伝えた。
防衛サプライチェーンを支える低コスト資金
DSRBは、防衛装備品や関連部品、サイバー対策、重要インフラなど安全保障に関わる供給網に、長期で低コストの資金を流すための枠組みだ。レジリエンスとは、危機や有事でも社会や産業の機能を止めにくくする力を指す。防衛企業、とりわけ中小企業は開発や増産に必要な資金を調達しにくい場合があり、その穴を民間資本も呼び込みながら埋める狙いがある。
カナダ政府は3月23日、18カ国の代表がDSRB設立に向けた対面交渉を始めると公表していた。4月29日には、モントリオールでのDSRB憲章交渉が終了し、批准後の本部設置国をカナダとする方向で参加国が一致したと明らかにした。ユドン氏はカナダ・ビジネス開発銀行(BDC)の総裁兼CEOで、同構想のカナダ側首席交渉官を務める。構想は交渉開始段階から、創設メンバーと資本拠出を詰める段階に入っている。
アンカラでは7月7日(現地時間)に、防衛生産や投資、イノベーションを扱う「NATO Summit Defence Industry Forum」も開かれる。防衛産業への投資拡大が主要議題となる場で創設メンバーを示せれば、DSRBは政治面と実務面の双方で進展を示すことになる。
参加国と資本拠出が焦点
ただ、発表は最終交渉の行方に左右される。ユドン氏は、初期の参加国はカナダを除けば主に欧州諸国になるとの見通しを示した。一方で、国数や国名、各国の資本コミットメントはなお焦点であり、交渉次第では首脳会議に合わせた公表が実現しない可能性もある。
韓国とは生産的な協議があり、後から参加する可能性がある。他のG7諸国については、現時点で参加に近づいていないとの見方を示した。DSRBはカナダに本部を置き、欧州拠点はルクセンブルクになるとされる。一方、カナダ国内の本部都市については、首脳会議時点での発表は見送られる公算が大きく、候補にはトロント、モントリオール、オタワ、ハリファクス、バンクーバーが挙がっている。
今回の動きは、DSRBの創設メンバー公表を目指す段階のもので、銀行の正式発足や業務開始を意味するものではない。防衛投資の拡大が各国共通の課題となるなか、カナダが主導する金融枠組みがどこまで参加国を固められるかが、アンカラ首脳会議での注目点となる。
