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複数の主要報道によると、中国外務省は28日、欧州連合(EU)が中国製品への輸入割当や関税の対象を拡大する動きに反発し、EUは対中貿易不均衡を正当化するため「都合の良いデータだけを抽出している」と批判した。対中通商摩擦は電気自動車(EV)や鉄鋼など個別品目をめぐる応酬にとどまらず、産業横断の防衛措置と、そもそも不均衡をどう測るかという統計認識の対立へ広がっている。
広がるEUの通商防衛論
EU側ではステファン・セジュルネ欧州委員が、中国からの輸入に対する割当や関税の活用を広げ、一部産業を保護する考えを示した。対象候補には化学、金属、クリーンテクノロジーが含まれると報じられている。関税割当やセーフガード措置では、一定量までの輸入を認めたうえで、上限を超えた分に高い関税を課す設計が使われる。安価な輸入品の急増から域内産業を守る狙いがある。
背景には膨らむ対中赤字への警戒がある。EU側統計では、2025年の対中モノ貿易赤字は3599億ユーロ規模に達した。一方、中国税関データを基にした報道では、今年1〜4月の中国の対EU27黒字は1130億ドルとなり、前年同期の910億ドルから拡大した。両者は出所も集計期間も異なるため単純な同列比較はできないが、双方の政治判断でどの数字を重視するかが争点になっている。
鉄鋼ではすでに防衛措置の強化が進んでいる。ユーロニュースは、世界全体の鉄鋼輸入に新たな割当を設け、上限を超えた分への関税を引き上げる案について、EU加盟国と欧州議会が4月に合意したと伝えた。中国商務省は、EUの新たな無税鉄鋼輸入枠の制限をめぐり、WTOの枠組みでEUと交渉しているとしている。WTOは各国の貿易ルールを扱う国際的な場で、今回の摩擦が二国・地域間の政治問題だけでなく、国際ルール上の争点にもなっていることを示す。
中国が強調する「保護主義」批判
中国外務省はこれまでも、世界に衝撃を与えているのは中国企業の革新や生産能力の効率ではなく、壁を築き、デカップリングを進める保護主義だと主張してきた。今回の反発もこの延長線上にあり、中国製造業の競争力そのものを問題視するEU側の見方に対し、貿易制限こそが市場をゆがめるとの論理で応じている。
ただ、EUが実際にどの法的手段を使い、どの品目に、どの水準の関税や割当を適用するかは固まっていない。中国側も具体的な対抗措置を決めたわけではない。報道では、欧州委員会の委員団が29日に対中関係を協議し、6月18日のEU首脳会議に向けて提案が示される可能性があるとされる。今後は、協議が正式措置に進むか、対象がEVや鉄鋼から化学、金属、クリーンテクノロジーなどへ広がるかが確認点となる。
参考・出典
- China says EU ‘cherry picking’ to justify trade curbs, warns of response – AOL
- EU to broaden import quotas and tariffs against China, official tells FT | MarketScreener
- As trade war with China looms, how can the EU defend itself? | Euronews
- China is negotiating with EU over its steel trade measures, Chinese commerce ministry says | MarketScreener
- 2026年5月8日外交部发言人林剑主持例行记者会_中华人民共和国外交部
- EU’s Séjourné warns Europe could splinter without a trade ‘power struggle’ with China
