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米サイバーセキュリティ企業クラウドストライクは9日、「2026 Technology Threat Landscape Report」を公表した。ロイターは同報告書について、過去1年間でテクノロジー企業にとって最大のスパイ脅威は中国関連ハッカー集団だったと伝えた。AIへの投資が膨らむなか、攻撃対象は企業システムや開発基盤だけでなく、AI能力や知的財産にも広がっている。
標的の中心に浮上したテクノロジー業界
クラウドストライクは、テクノロジー分野が世界で最も標的にされる業種になったと位置づけた。国家支援型の標的侵入のうち、中国関連主体が58%超を占めたという。ここでいう標的侵入は、無差別なばらまき型の攻撃ではなく、特定の企業や組織に狙いを定めて内部に入り込む活動を指す。
報告書は中国関連主体として、MURKY PANDA、MUSTANG PANDA、OVERCAST PANDA、SUNRISE PANDA、WARP PANDAを挙げた。MURKY PANDAによるパスワードスプレー攻撃だけで、米国拠点の340超の組織が影響を受けた。パスワードスプレー攻撃は、多数のアカウントに対してよく使われるパスワードを少しずつ試す手口で、企業側の検知をすり抜けやすい。
狙われているのは、AIを開発する企業だけではない。クラウド、開発基盤、ソフトウェア供給網など、AIを作り動かすための土台も標的になっている。クラウドストライクは、最も価値の高いAI資産がテクノロジー企業の内部に集中しているため、中国関連主体が自力では十分な速度で築けないAI能力や知的財産を、サイバー侵入で得ようとしているとみる。
偽装就労と金銭目的の攻撃も拡大
同じテクノロジー分野では、北朝鮮関連のFAMOUS CHOLLIMAも目立つ存在となった。AIで強化した偽装人物像や米国のフロント企業を使い、テクノロジー企業のリモートIT職に入り込む手口で、国家支援型の対話型侵入の47%を占めた。外部から侵入するだけでなく、働き手を装って内部に入る点が特徴だ。
金銭目的の攻撃も大きい。テクノロジー分野への対話型作戦全体の65%を占め、初期アクセスブローカーは277のテクノロジー組織へのアクセスを売り込んだ。これはほぼ30%増だった。さらに、専用リークサイトでは572のテクノロジー関連組織が恐喝対象として名指しされた。
報告書の分析対象は2025年4月1日から2026年3月31日まで。AI関連企業の評価額や投資が過熱するほど、攻撃者にとって盗む価値も増す。ロイターによると、中国駐米大使館は報告書の内容を退け、中国はハッキングに反対し、法に基づいて取り締まっていると説明した。今回の報告書は、AI時代の競争優位そのものがスパイ活動と金銭目的の侵入の標的になっている現実を示した。
