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時事通信によると、防衛省は自前システムで管理してきた機密性の高い防衛情報について、民間クラウドでの運用へ移行する方針を固めた。2027年度予算で移行準備経費を要求し、衛星や無人機から得るデータの横断分析やAI活用を本格化させる。
急増する無人機・衛星データをAIで分析
民間クラウドへの移行には、衛星や無人機などから得られる大量のデータを、組織やシステムをまたいで連携・分析しやすくする狙いがある。同通信によると、計算能力や保存容量を柔軟に拡張し、民間の最新AI技術を取り込みやすくすることで、迅速な意思決定につなげる考えだ。
防衛力整備計画は2023年度から2027年度までを対象とし、領域横断作戦に資する情報共有機能の強化に向け、共通基盤としてクラウドを整備する方針を明記している。また、衛星や無人機を活用した情報収集・分析機能の強化も掲げる。
防衛省は2024年7月2日、「防衛省AI活用推進基本方針」を策定した。目標の探知・識別、情報の収集・分析、指揮統制、無人アセットなど7分野でAIを重点的に活用し、意思決定の迅速化や情報収集・分析能力の向上を図るとしている。組織の壁や個々の情報システムの仕様を越えて、必要なデータへアクセスできる環境の整備も課題に挙げている。
高機密情報向けの安全基準は2026年度中に整備へ
時事通信によると、高機密情報のクラウド利用を前提とした政府横断の基準は未整備で、国家サイバー統括室が2026年度中に安全基準を整備する見通しだ。防衛省はこれを見据え、2027年度予算で移行準備経費を要求する方針だが、現段階では予算成立やクラウドでの実運用開始が決まったわけではない。
防衛装備庁には、防衛調達で企業が扱う「注意」「部内限り」などの「保護すべき情報」を対象とした情報セキュリティ基準があり、2025年7月1日から一部改正した基準を適用している。ただし、これは防衛省との契約に基づいて企業が扱う情報の管理策を定めたもので、今回報じられた高機密情報の民間クラウド利用に向けた政府横断基準とは対象が異なる。
防衛省の民間クラウド移行は、安全基準の整備と2027年度予算での準備経費要求を前提とする準備段階にある。
