豪産業科学資源省報告、中国国有調達主体の圧力で鉄鉱石価格下押し懸念

中国鉱産資源集団、鉄鉱石価格に下押し圧力 豪州最大輸出品の収益を左右

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豪産業科学資源省が2026年7月3日に公表した「Resources and energy quarterly: June 2026」は、中国鉱産資源集団(CMRG)の価格メカニズムへの働きかけが、鉄鉱石の指標価格を中期的に押し下げる可能性に触れた。供給増と需要鈍化に加え、中国側の調達交渉力が豪州の鉄鉱石輸出収入見通しに影響し得る構図だ。

供給増と需要鈍化で下向く鉄鉱石見通し

同報告書は、豪州政府のOffice of the Chief Economistが四半期ごとにまとめる資源・エネルギー輸出の見通し資料で、主要品目の価格、輸出量、輸出額を示す。今回の報告書は2026年6月18日までの動向とデータを反映している。

鉄鉱石価格については、2026年6月四半期には世界の鉄鋼生産が弱い中でも底堅く推移した一方、今後数年はアフリカ、ブラジル、豪州からの供給増で下落すると見込んだ。世界の鉄鋼需要の鈍化も価格を軟化させる要因に挙げた。鉱石の供給が増える一方で製鉄需要の伸びが鈍れば、価格には下押し圧力がかかりやすくなる。

豪州の鉄鉱石輸出収入は、2025-26年度の1170億豪ドルから、2026-27年度に1080億豪ドル、2030-31年度には実質770億豪ドルへ低下する見通しだ。それでも鉄鉱石は、見通し期間を通じて豪州最大の輸出品目であり続ける。報告書全体では、資源・エネルギー輸出額を2025-26年度に4050億豪ドル、2026-27年度に4160億豪ドルと見込んでいる。

CMRGの価格交渉力が市場に与える影響

通常の需給要因に加え、中国側の調達・価格交渉力の変化も鉄鉱石市場を左右する材料になっている。報告書はCMRGを、中国製鉄所の約80%を代表する中国側の中央調達主体と説明し、鉱山会社の価格メカニズム変更を促す動きが指標価格を中期的に押し下げる可能性に言及した。

豪州政府の基本シナリオは、供給増と需要軟化による価格低下であり、CMRGだけを収益見通しの決定要因とみなしているわけではない。ただ、買い手側の交渉力が高まれば、価格指標や販売条件を通じて豪州の輸出収入に影響する可能性がある。報告書は中国経済についても、過剰能力削減と内需刺激を狙う政策の下で2026年の成長率が鈍化すると見込んでおり、中国の需要と調達行動が鉄鉱石市場を見るうえで重要な材料となる。

参考・出典

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