米宇宙企業ロケット・ラボ、米通信会社Iridiumを買収へ

Rocket Lab、Iridium買収で最終契約 企業価値は約80億ドル

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Rocket LabとIridium Communicationsは米国時間6月29日、Rocket LabがIridiumを買収する最終契約を結んだ。現金と株式を組み合わせた取引で、Iridiumの企業価値は約80億ドルとされた。完了は2027年半ばを見込み、Iridium株主の承認や必要な規制当局の承認などが条件となる。

1株54ドルの名目価値、現金と株式で構成

対価はIridium普通株1株につき27ドルの現金と、交換比率に基づくRocket Lab株式で構成する。取引の名目価値は1株当たり54ドル。株式対価の交換比率には「カラー」と呼ばれる調整範囲が設けられ、その適用範囲はRocket Lab株価67.50ドルから112.50ドルとされた。株価の変動によって、株式部分の実際の価値や交付株数は変わり得る仕組みだ。

両社の取締役会は取引を全会一致で承認した。Iridium株を保有する同社取締役は、取引を支持する議決権行使契約も結んだ。Rocket Labは現金対価の資金手当てとして、Deutsche BankとWells Fargoから36億ドルの364日シニア担保付きブリッジタームローンのコミットメントを受けている。現金部分は手元資金に加え、追加の負債・株式調達でも賄う方針だ。

Rocket Labは今回の案件に関連し、米証券取引委員会(SEC)にForm S-4を提出する予定で、Iridium株主向けの委任状説明書も同書類に含まれる見通しだ。企業価値約80億ドルは負債なども含めた事業全体の価値を示す指標であり、現金支払総額や株式時価総額そのものではない。

衛星通信ネットワークを取り込む大型M&A

Rocket Labは打ち上げと宇宙システムを主力とする企業で、Iridiumは世界規模の移動体衛星ネットワークを運営する。Iridiumは音声、データ、測位・航法・時刻同期(PNT)関連の衛星サービスを提供しており、航空、海事、政府、緊急サービス、重要インフラ、自律システム、遠隔監視など幅広い用途を抱える。

Rocket Labはこの買収を通じ、打ち上げや衛星製造に加えて、自前の衛星ネットワークと周波数資産を持つ体制を目指すと説明している。宇宙機をつくって打ち上げるだけでなく、その上で通信サービスを運営する領域まで取り込む案件となる。

今後の焦点は、Iridium株主の承認、規制当局の審査、株式交換条件の最終的な適用、統合後の事業運営体制に移る。取引完了は2027年半ばの見込みだが、必要な承認と通常の完了条件を満たすことが前提となる。

参考・出典

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