NTTとOIST 気象研究所と東シナ海で海上水蒸気観測開始

台風観測の技術を線状降水帯へ NTTとOISTが東シナ海で新たな海上観測

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NTTと沖縄科学技術大学院大学(OIST)は2026年度、気象庁気象研究所との共同研究の一環として、東シナ海で海上の水蒸気観測を始める。台風を中心に進めてきた海上観測の対象を線状降水帯にも広げ、九州へ流れ込む暖かく湿った空気を捉える。発生・発達の仕組みを解明し、雨量予測の精度向上につなげる狙いだ。

台風観測の蓄積を線状降水帯研究へ

NTTとOISTは2025年6月3日、気象庁気象研究所と共同研究契約を締結したと公表していた。契約は同年5月に結ばれ、線状降水帯や台風などの極端気象に関わる大気と海洋の仕組みの解明を目指す。2026年6月11日付の発表では、共同研究の2年目として観測エリアを東シナ海へ広げ、海上の水蒸気を直接観測する方針を示した。

NTTとOISTは2021年度から、台風直下などの海域における大気海洋観測手法の高度化をテーマに共同研究を続けてきた。2025年度には沖縄列島周辺海域で自律型海上観測機器やブイを使い、複数の台風に接近して大気海洋観測を実施した。2023年5月には、北西太平洋でカテゴリ5の猛烈な台風直下に入り、大気と海洋を同時に観測することに成功したと発表している。今回の計画は、こうした海上直接観測の基盤を、大雨をもたらす線状降水帯の研究にも展開するものだ。

九州豪雨の鍵を握る東シナ海の水蒸気

東シナ海は、九州で大雨が起きる際に暖かく湿った空気が流れ込む経路として重要な海域に位置付けられている。気象研究所は大学や研究機関と連携し、2022年の梅雨期にも東シナ海から九州を中心に、線状降水帯の発生や停滞に関わる要素を把握する集中観測を実施してきた。

気象庁側でも、洋上の水蒸気を把握する取り組みは線状降水帯対策の柱の一つになっている。気象庁観測船や海上保安庁の測量船に搭載されたGNSS水蒸気観測装置から得られる可降水量データの利用が始まり、大型民間船舶へのGNSS観測装置の搭載も進められてきた。あわせて、地上設置型マイクロ波放射計の整備も進んでいる。今後の焦点は、東シナ海で得られる観測データを数値予報にどう取り込み、雨量や発生位置、発生タイミングの予測改善に結びつけるかにある。

参考・出典

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