独仏首脳、次世代戦闘機FCASの共同開発打ち切りで合意

FCAS/SCAF中核の共同戦闘機が頓挫 ダッソーとエアバスの対立解けず

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ドイツ政府当局者と仏大統領府側の説明によると、フリードリヒ・メルツ独首相とエマニュエル・マクロン仏大統領は6月8日、次世代戦闘機計画FCAS/SCAFの中核である共同戦闘機部分について、共同開発・製造を進めないことで一致した。欧州防衛協力の象徴とされてきた大型計画は、最も重要な柱を失う局面に入った。

企業間対立で行き詰まった1000億ユーロ級計画

行き詰まりの背景には、フランスのダッソー・アビアシオンと、ドイツ・スペイン側を代表するエアバスの長期対立がある。主導権や役割分担、知的財産、機体の重要部分を誰が担うかをめぐる溝が埋まらず、独仏首脳は、関与企業が共同戦闘機の開発で合意に至れないとの認識を共有した。

FCAS/SCAFは2017年に独仏で始まり、2019年にスペインが加わった。2040年代にフランスのラファールや欧州共同開発のユーロファイターの後継を担う構想で、計画規模はおおむね約1000億ユーロ級と見積もられてきた。単なる新型機の開発ではなく、欧州の航空防衛産業を次世代につなぐ国家横断の基盤づくりでもあった。

残るシステム要素と再設計の焦点

FCAS/SCAFは、有人戦闘機だけでなく、無人機、センサー、戦闘クラウドなどを束ねる「システム・オブ・システムズ」として構想されてきた。これは、1機の戦闘機が単独で戦うのではなく、複数の機体や無人機、情報ネットワークを一体で動かす仕組みを意味する。今回、打ち切り対象とされたのは、その中心に置かれていた共同戦闘機部分である。

共同戦闘機の終了後も、一部の関連要素は継続する余地がある。今後は、スペインの位置づけ、既存契約や研究開発費の処理、知的財産の扱い、各国企業の作業分担をどう整理するかが焦点となる。欧州の再軍備と防衛産業強化が政治課題となる中、今回の判断は、防衛協力を進める難しさを改めて浮き彫りにした。

参考・出典

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