日本政府 南米メルコスルとのEPA交渉入りをG7で調整

日本、南米関税同盟メルコスルとEPA交渉入り調整 供給網多角化も狙い

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共同通信などの報道によると、日本政府は南米の関税同盟メルコスルとの経済連携協定(EPA)交渉入りを調整している。2026年6月15〜17日にフランス・エビアンで開かれるG7首脳会議にブラジルのルーラ大統領が招待される見通しで、その機会に開く日伯首脳会談で表明する案が浮上している。実現すれば、関税引き下げなどの通商拡大に加え、資源・エネルギーを含む供給網の多角化を進める一歩となる。

協力枠組みから通商交渉へ

日本とメルコスルは2025年12月20日、「日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み」を立ち上げた。外務省は、貿易・投資や供給網の強化を通じ、双方の経済関係を広げる枠組みと位置付けている。

2026年1月27日にパラグアイのアスンシオンで開かれた第1回会合では、メルコスル側がEPA/FTA交渉プロセスの開始に高い期待を示した。EPAは関税の引き下げだけでなく、投資やデジタル取引、各種規制の扱いなども含む幅広い経済ルールで、企業の進出や調達先の分散に直結する。

3月25日の第2回会合では、仮にEPA交渉を開始する場合の双方の関心分野やセンシティビティについて情報交換した。日本側は鉱工業品の市場アクセスやビジネス環境改善、重要鉱物・エネルギー・穀物の安定供給を関心分野に挙げる一方、農林水産物などのセンシティビティと国内関係者の理解の必要性を説明した。

5月18日には赤沢亮正経済産業相とブラジルのビエイラ外相が会談し、原油を含むエネルギーの安定供給、資源・エネルギー分野での経済関係強化、日本・ブラジル間および日本・メルコスル間の関係強化の重要性を確認した。

農畜産品と供給網が焦点

交渉に入れば、牛肉や鶏肉など農畜産品の市場アクセスが主要論点になる。3月の第2回会合でも、メルコスル側は日本への農林水産品の市場アクセス改善を主要な関心として示した。関税の扱いに加え、SPSと呼ばれる衛生植物検疫措置の透明性や科学性も問われる。食品の安全確認や病害虫対策に関わるルールであり、輸入拡大の条件と国内農業への影響を左右する。

メルコスルは南米の関税同盟で、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイを創設加盟国とする。メルコスル公式サイトは、ベネズエラとボリビアも加盟国欄に置きつつ、ベネズエラは加盟国としての権利・義務を停止中、ボリビアは2024年7月に批准書を寄託し、最大4年間の規範取り込み期間にあると説明している。交渉相手の実務上の範囲も焦点となる。

今後は、6月の政治表明が交渉開始の正式合意となるのか、交渉入り方針の首脳確認にとどまるのかが注目される。初回交渉の時期や、EPA本文に資源・エネルギー協力や供給網強化をどう組み込むかも課題となる。

参考・出典

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