米トランプ大統領、NATO首脳会議でスペインに全貿易停止を指示

トランプ氏、スペインとの全貿易停止を指示 NATO防衛費5%目標で対立深まる

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ロイターなどによると、トランプ米大統領は現地時間8日、トルコ・アンカラで開かれたNATO首脳会議で、スペインを「ひどい同盟国」と批判し、ベッセント米財務長官に人の往来を含む対スペイン貿易の停止を命じた。背景にはNATO防衛支出目標へのスペインの慎重姿勢に加え、米軍の対イラン作戦への空域・基地利用を認めなかったことへの不満もあった。

防衛費5%目標をめぐる溝

NATOは2025年のハーグ首脳会議で、加盟国が2035年までに国内総生産(GDP)比5%を防衛投資に充てる方針を確認した。内訳は、中核的な防衛要件に少なくとも3.5%、重要インフラ防護やサイバー防衛、産業基盤強化などの防衛・安全保障関連投資に最大1.5%を充てる枠組みで、従来より大幅に高い水準となる。

スペインのサンチェス首相は2026年4月、自国はGDP比2.1%の支出でNATOが求める能力目標を満たせるとの立場を示し、義務を果たしていると述べていた。7月8日の首脳会議後にも、スペインは前年に約束したGDP比2%の防衛投資を定着させ、NATOへのコミットメントを果たしていると強調した。

トランプ氏の発言は、同盟内の負担分担をめぐる圧力を、米国とスペインの通商関係にまで広げるものだった。防衛費の多寡を理由に貿易停止を持ち出したことで、NATOの安全保障論議に経済措置の問題が重なった。

共同宣言は結束を再確認

7月8日に公表されたアンカラ首脳会議宣言は、集団防衛と大西洋同盟の結束を再確認した。加盟国への攻撃を全体への攻撃とみなすNATO条約第5条への関与や、ウクライナ支援などが盛り込まれた一方、スペインに対する通商措置は同盟としての共同決定には含まれていない。

ロイターによると、米政府当局者は、財務省、商務省、米通商代表部(USTR)が数日内に禁輸対象となり得るスペイン製品の候補をトランプ氏に示すと説明した。これにより、措置は全面停止ではなく、特定品目を対象にした一部制限となる可能性がある。一方、発動時期や対象品目、例外規定は明らかになっていない。

EU加盟国の通商政策は原則として欧州連合が担うため、米国がスペインだけを切り離して貿易関係を止めるには制度上の複雑さも伴う。トランプ氏は会議終盤、同盟内には「愛」や「大きな結束」があったとも述べ、強い批判の後に表現を和らげた。

参考・出典

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