米国防総省、ドイツへのトマホーク配備計画を中止検討へ

米国、ドイツ向けトマホーク配備中止見通し 2026年計画と対ロ抑止に影響

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米政治メディアのポリティコは6月4日、米国防総省がドイツへの巡航ミサイル「トマホーク」配備計画を取りやめる見通しだと報じた。理由の一つとして、ロシアが配備を緊張激化、つまりエスカレーションと受け止めることへの懸念が挙がっている。5月には、米陸軍の長射程火力部隊のドイツ展開が取り消されたと米国防当局者の確認に基づく報道も出ており、2024年に米独が打ち出した2026年からの長射程火力配備は、実施段階で大きく後退している。米独共同声明そのものの撤回や、SM-6、トマホーク、開発中の極超音速兵器を含むパッケージ全体の最終的な扱いはなお確認が必要だ。

2026年開始予定だった長射程火力パッケージ

計画の出発点は、2024年7月10日の米独共同声明だった。米国は2026年から、ドイツでMulti-Domain Task Forceの長射程火力能力を段階的に配備し、将来的な恒久駐留につなげる方針を示した。

対象にはSM-6、トマホーク、開発中の極超音速兵器が含まれていた。単なるトマホーク単体の話ではなく、欧州に置かれる地上発射型の打撃力を大きく伸ばす複合的なパッケージだった。遠方の目標に届く火力を前方に置くことで、ロシアに「攻撃すれば高い代償を払う」と示す狙いがあった。

共同声明は、この配備を米国のNATOへの関与と、欧州の統合抑止への貢献として位置づけた。統合抑止とは、米欧の通常戦力、ミサイル防衛、核抑止、サイバーなどを組み合わせ、相手に軍事行動を思いとどまらせる考え方だ。ロシアのプーチン大統領は配備発表後、対抗措置を取る考えを示していた。

欧州安保に広がる不安

ドイツ国防省は5月4日、米国による長射程兵器配備計画について「決定的な中止」ではないとの立場を示していた。ただ、その後、米陸軍の長射程火力大隊のドイツ展開が取り消されたと報じられ、6月4日のポリティコ報道はトマホーク配備の中止見通しを改めて示した。フリードリヒ・メルツ首相は5月3日のARDで、バイデン前政権下でトマホーク配備の約束があった一方、トランプ大統領はその約束を繰り返していないと述べていた。

5月1日には、独駐留米軍を今後6〜12カ月で5,000人削減する計画も伝えられた。長射程火力配備の見直し観測と人員削減は別の政策判断だが、どちらも欧州側にとっては米国の安全保障関与が細るとの警戒を強める材料になっている。

残る未確定点は、米政権が公式文書で配備計画の撤回を示すのか、中止対象がトマホーク中心なのかSM-6や開発中の極超音速兵器を含むパッケージ全体なのか、2026年からの段階的配備が延期なのか全面撤回なのかにある。ドイツ政府が代替的な対ロ抑止策をどう組み立てるかも重要になる。

参考・出典

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