半導体の要・ライセンスモデルに揺らぎ アームとクアルコムの対立が表面化
ソウル中心部のオフィス街にあるアームの看板の下へ、韓国公正取引委員会の職員が書類箱を抱えて入っていった。英Arm Holdings(アーム)のソウル事務所ではいま、半導体設計の利用権であるライセンス契約のあり方をめぐる調査が静かに進んでいる。きっかけは、長年のパートナーである米Qualcomm(クアルコム)が、アームが自社技術へのアクセスを不当に絞り、競争条件をゆがめていると訴えたことだ。半導体産…
世界で今、何が起きているのか。
そのニュースが日本や私たちの未来にどう影響するのかまで含めて読み解きます。
国際政治、経済、紛争、テクノロジー動向などを横断的に整理し、点ではなく構造として世界を見るための視点を提供します。
ソウル中心部のオフィス街にあるアームの看板の下へ、韓国公正取引委員会の職員が書類箱を抱えて入っていった。英Arm Holdings(アーム)のソウル事務所ではいま、半導体設計の利用権であるライセンス契約のあり方をめぐる調査が静かに進んでいる。きっかけは、長年のパートナーである米Qualcomm(クアルコム)が、アームが自社技術へのアクセスを不当に絞り、競争条件をゆがめていると訴えたことだ。半導体産…
ニューヨークの国連本部で、日中の代表が相次いで演壇に立った。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁が波紋を広げ、議論の舞台はついに安保理改革を話し合う国連総会へと移ったのである。中国の傅聡国連大使が日本を名指しで強く批判し、日本側がただちに反論権を行使するという、緊張感の高いやり取りになった。日本の安保理常任理事国入りの是非と、台湾情勢への向き合い方が、同じ会場で重ねて問われている。
警報の音が鳴り響いたのは、まだ夜が明けきらない時間だった。ナイジェリア北西部ケビ州マガ町の女子中等学校に武装集団が押し入り、寮にいた生徒25人を連れ去った。副校長は銃撃で死亡し、別の職員も負傷した。現場に駆け付けた警察や兵士は追撃したが阻止できず、今も家族たちは学校の前で娘たちの無事を待ち続けている。
アブジャの大統領府が沈黙を破ったのは、前線で将官が消息を絶ってから数日後だった。ボラ・ティヌブ大統領は2025年11月18日、イスラム過激派組織イスラム国西アフリカ州(ISWAP)との戦闘任務に就いていたムサ・ウバ准将が死亡した事実を公式に認め、声明で「戦場で倒れた兵士と将校の死を深く悼む」と述べた。胸章に星を付けた指揮官が過激派に待ち伏せされ殺害されたことは、長引く反乱の重さを改めて浮かび上がら…
台湾の検察庁で18日、軍や防衛に関わってきた人々の名前が静かに読み上げられた。中国共産党のために情報を集めた疑いで、香港出身の中国人の男と台湾の現役・元軍人ら7人が起訴されたのだ。かつて同じ部隊で汗を流した仲間が、国家の安全を脅かしたとされる構図に、社会には複雑な空気が広がっている。
パリ郊外の軍用空港で、フランス製戦闘機ラファールの機首を背にマクロン仏大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領が握手した。2025年11月17日、両首脳はウクライナに最大100機のラファールなどを供給する意向書に署名し、長期的な防空力強化をうたった。その翌日、モスクワからは強い反発の声が上がった。
国境から遠く離れた米南部の街ニューオーリンズに、まもなく連邦の国境警備隊員が大挙して集結しようとしている。米国土安全保障省が、ルイジアナ州とミシシッピ州を対象に約2か月にわたる大規模な移民取り締まり作戦「スワンプ・スイープ」を準備していることが分かった。目標はおよそ5000人の逮捕とされ、すでに関係機関の調整が進んでいるという。
欧州の金融監督当局が18日、大手IT企業19社に一斉に連絡を入れた。アマゾンのクラウド部門Amazon Web Services(AWS)やGoogle Cloud、Microsoftなど、銀行システムを支えるクラウドや通信の事業者を「金融にとって重要な外部ITプロバイダー」と公式に認定したのだ。今年1月に適用が始まったデジタル運用レジリエンス法(DORA)に基づき、彼らは今後、銀行と同じ監督テー…
静まり返った工場の駐車場から、ぽつりぽつりと従業員が帰路につく。半導体不足が再びドイツの自動車部品産業を直撃し、ボッシュなど大手サプライヤーは生産計画の組み直しを迫られている。背景には、オランダに本社を置く中国系半導体メーカー、ネクスペリアの経営権を巡る中国とオランダの対立がある。対話の糸口を探るため、オランダ政府は北京への代表団派遣に踏み切ったが、現場の不安はなお消えていない。
トランプ米大統領の側近たちが、静かな会議室で地図と資料を広げている。表に出ていないのは、ロシアと協議を重ねながらウクライナ戦争の終結案をまとめようとしているからだ。米メディアAxiosやロイター通信によると、ホワイトハウスは水面下で新たな和平ロードマップを作成しており、複数の米ロ当局者がその存在を認めているという。
中国の港に、静かにロシア船が入ってくる。積み荷は北極圏から運ばれた液化天然ガスLNGだが、取引価格は通常より3~4割も安い。背後には、米欧の厳しい制裁で行き場を失った巨大プロジェクト「アークティックLNG2」と、そのガスを受け入れる中国の姿勢が重なっている。
レジ前でスマートフォンを手に取る人たちの負担が、数年後には少し重くなるかもしれない。ロシア政府が、輸入のスマホやノートパソコンなど消費者向け電子機器に新税をかけ、その税収約27億ドルを今後3年間で国内の電子産業、とりわけ防衛関連の企業支援に振り向ける構想を示した。背景には、西側の制裁で半導体や高性能部品へのルートが細り、自前で必要な機器を確保しなければならなくなったという事情がある。
爆発音で目を覚ました住民たちは、廊下に立ちこめる煙と炎を前に、暗い階段を押し合うようにして避難した。2025年11月19日未明、ロシア軍のドローン攻撃がウクライナ第2の都市ハルキウの集合住宅を襲い、子ども2人を含む32人が負傷した。火災は周辺の車や建物にも広がり、静かな夜は一転して救急車と消防車のサイレンに包まれた。
EU欧州委で産業戦略を担うステファヌ・セジュルネ上級副委員長が、重要鉱物を巡る世界の争奪戦に神経をとがらせている。19日に英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、EUが加盟国の需要を束ねて調達と備蓄を行う中央機関を設け、米国が欧州の目前で資源を囲い込むのを防ぐ構想を明らかにした。防衛やクリーン技術を支える鉱物を巡り、EUが後れを取るとの危機感がにじむ。
ロンドンの議事堂で、議員と職員に配られた一通の警告が空気を変えた。英国の情報機関MI5(軍情報部第5部)が、中国のスパイがヘッドハンターを装い、議会や政府の機密に触れられる人材を狙っていると明らかにしたのだ。SNSの求人連絡が、知らないうちに諜報の入り口になりうる現実が、改めて突きつけられている。英中関係をめぐる緊張の高まりとも重なり、懸念は一段と強まっている。
巨額の資金が、また1社のAIスタートアップへと流れ込もうとしている。マイクロソフトと半導体大手NVIDIAが、対話型AI「Claude(クロード)」を手がけるAnthropicに最大150億ドルを投じる枠組みを公表したのだ。同時にAnthropicは、今後数年でマイクロソフトのクラウド基盤Azure(アジュール)を300億ドル分利用することで合意し、資本とインフラの両面で結びつきを強める。
ホワイトハウスの門をくぐったサウジアラビアのムハンマド皇太子を、トランプ米大統領が笑顔で迎え入れた。会談の場で語られたのは、米国への6000億ドル投資と、それを1兆ドルへと増やすという約束、最新鋭戦闘機F35の売却方針、そしてジャマル・カショギ氏殺害事件をめぐる食い違う評価だった。経済と安全保障の大きな取引の陰で、人権と信頼をめぐる溝が改めて浮かび上がっている。
北京の会議場に現れたのは、ドイツのラース・クリングバイル副首相兼財務相だった。2025年11月18日、中国側との協議を終えたばかりの同氏は、記者団に向かって静かに語り始めた。中国の過剰な生産能力に解決策が見えなければ、欧州連合は自らの市場を守るために動かざるを得ない――そう、はっきりと。
会議室に集まった欧州委員会の担当者たちが、新たな調査開始の文書に次々と署名していった。その対象は、企業のITインフラを支えるクラウドの巨人、アマゾンとマイクロソフトだ。EUの新しい競争ルール「デジタル市場法」に基づき、クラウド分野の力関係を問い直す一歩が踏み出された。
スマホの画面でドル建てのステーブルコインを選び、数タップで海外の取引先へ送金する。そんな光景が、ブラジルでは輸入業者や個人のあいだで当たり前になりつつある。その便利な送金ルートに、政府が新たな税金という「料金所」を設けようとしている。焦点は、国際決済で使われる暗号資産に金融取引税をかけるかどうかだ。