厚生労働省部会、オンコリスの食道がん治療薬を製造販売了承

食道がん向け腫瘍溶解ウイルス薬、テロメライシン注が通常承認へ前進

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厚生労働省の薬事審議会・再生医療等製品・生物由来技術部会は2026年5月21日、オンコリスバイオファーマの食道がん向け腫瘍溶解ウイルス製剤「テロメライシン注」について、製造販売承認を了承した。部会では、条件及び期限付き承認ではなく通常承認とすることも了承された。食道がん向けの腫瘍溶解ウイルス治療薬としては、世界初の承認見通しと位置づけられている。

オンコリスの「テロメライシン注」

テロメライシン注は、遺伝子組換えアデノウイルスを主成分とする腫瘍溶解ウイルス製剤だ。腫瘍内で限定的に増殖し、腫瘍細胞を溶解して抗腫瘍効果を示すことが期待されている。既存の抗がん剤のように薬剤成分そのものが直接がん細胞の増殖を抑えるというより、ウイルスの増殖性を治療に利用する点が特徴となる。

オンコリスバイオファーマは22日、テロメライシン注について、厚労省部会で通常承認とすることなどが了承されたと公表した。効能効果は「根治切除及び化学放射線療法の適応とならない食道癌」とされ、再審査期間は10年、製造販売後調査は全例調査方式で予定症例数85例とされた。

世界初という位置づけは、食道がん向けの腫瘍溶解ウイルス治療薬という範囲でのものだ。国内の腫瘍溶解ウイルス製剤としては、悪性神経膠腫向けの「デリタクト注」に続く承認例となる見通しで、アデノウイルスを用いる腫瘍溶解ウイルス製剤としては国内初と報じられている。

正式承認と実用化へ残る手続き

部会了承は、厚生労働大臣による正式承認に向けた重要な段階であり、正式承認そのものではない。今後は正式承認や薬価収載を経て、販売開始へ進むことになる。オンコリスバイオファーマは、テロメライシン注の販売を予定通り2026年12月期に開始する計画としている。

薬価収載は、公的医療保険で使う際の価格を決める手続きにあたる。正式承認日や薬価収載日、発売日は現時点で確定しておらず、医療現場で使われるまでにはなお複数の手続きが残る。

承認判断の背景となった国内第2相試験では、根治切除及び化学放射線療法が適応とならない局所進行食道がん患者36例を対象に、テロメライシン注と放射線療法の併用が検討された。専門報道によると、投与開始後24週までの局所完全奏効率は41.7%、試験期間全体では50.0%だった。テロメライシン注は、食道がんを対象とする新しい腫瘍溶解ウイルス治療として、正式承認と実用化に向けた大きな関門を越えた。

参考・出典

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