イスラエル国防相、ガザ・レバノン・シリアの安全地帯に無期限駐留方針

イスラエル、ガザ・レバノン・シリアから撤収せず 米イラン停戦後の安全保障線が争点に

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イスラエルのカッツ国防相は15日、イスラエル軍がガザ、レバノン、シリアで掌握する「安全地帯」から無期限に撤収しない方針を改めて示した。米国とイランの停戦合意が伝えられ、レバノンでの戦闘停止の扱いが問われる中でも、南部レバノンを含む前方地帯を維持する姿勢を強調した。

ガザでは、停戦後にイスラエル軍がどこまで退くかが交渉上の主要な争点となっている。カッツ氏は、掌握した地域を敵対勢力とイスラエル側コミュニティーの間の緩衝地帯として残す考えを示し、ガザ、レバノン、シリアを一体の安全保障ラインとして位置づけた。

国境防衛を前面に出した安全地帯構想

カッツ氏は、これらの地帯をイスラエル国境と住民を守るための緩衝地帯と位置づけている。敵対勢力を国境線のすぐ近くに戻さず、イスラエル側の集落や町との間に軍が管理する空間を置く発想だ。

ガザをめぐっては、米国仲介の停戦でイスラエル軍が指定ラインまで退く想定が示されてきた。一方で、ロイターは2026年5月時点で、イスラエル軍がガザの推定64%を実効支配し、ネタニヤフ首相が掌握範囲を70%へ広げるよう軍に指示したと報じている。安全地帯維持の説明は、2023年10月7日の越境攻撃の再発防止と結びつけられている。

同じ考え方はガザに限らない。イスラエルは2024年の停戦後もレバノン南部の一部から撤収しておらず、2024年12月のアサド政権崩壊後にはシリア南部の緩衝地帯を掌握した。カッツ氏の発言は、三つの前線でイスラエル軍の駐留を続ける方針を改めて示すものとなった。

米政権への伝達と交渉への影響

イスラエル側報道によると、カッツ氏は、ネタニヤフ首相と自身がこの立場をトランプ大統領や米政府高官に伝えたと説明した。ヘグセス米戦争長官にも伝えたとしている。ただ、米側が了承したかどうかや、共同方針として扱われているかは明らかになっていない。

この発言は、ハマスとの停戦・人質解放交渉に加え、レバノンをめぐる停戦協議にも影響する可能性がある。停戦後にイスラエル軍がどこまで退くのかは、戦闘停止の条件そのものに関わるためだ。「戦後も前方地帯を残す」という姿勢が改めて示されたことで、ガザ、レバノン、シリアをまたぐ安全保障の枠組みが交渉上の争点として重みを増している。

参考・出典

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