QSTと東芝、ITER向け超伝導TFコイルで1万アンペア通電に成功 マイナス269度で性能確認

QSTと東芝、ITER向け超伝導TFコイルで1万アンペア通電に成功 マイナス269度で性能確認

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QSTと東芝は2026年8月25日、南フランスのITER建設サイトで、両者が製作した超伝導トロイダル磁場(TF)コイル7号機「TF07」を摂氏マイナス269度まで冷却し、超伝導状態で1万アンペアまで安定して通電する試験に成功したと発表した。TFコイルは、磁場でプラズマを閉じ込める中核機器だ。

発熱や冷媒の流れは設計時の想定範囲内

TF07は高さ16.5メートル、幅9.2メートル、重量310トン。ITERでは18機のTFコイルがドーナツ状に配置される。QSTの進捗資料によると、TF07は2026年6月に4K(摂氏マイナス269度)までの冷却と1万アンペアの通電試験を完了した。

試験では超伝導状態への移行を確認し、コイル内部の超伝導導体をつなぐジョイント部の抵抗による発熱や、極低温下での冷媒の流れを測定した。測定結果は設計時の想定範囲内で、冷媒漏れなどの不具合も確認されなかった。

今回は1万アンペアまで、定格電流は6万8000アンペア

TFコイルは最大11.8テスラの磁場を発生させる設計で、定格電流は6万8000アンペア。今回発表された試験は1万アンペアまでであり、定格電流での試験完了を意味しない。

日本はTF導体の25%、全19機分のTF構造物、予備を含む9機のTFコイルを担当し、2023年までに9機すべての製作を終えた。ITERは日本、EU、中国、インド、韓国、ロシア、米国の7極で構成され、計34カ国が費用を分担する。ITER自体は発電を目的とせず、将来のフュージョンエネルギー利用に必要な科学的・技術的実現可能性の実証を目指す。

現在の計画では、統合試験運転を2033~2034年に実施し、2034年に研究運転を開始、重水素・三重水素による運転は2039年に始める。今回の試験結果は、統合試験運転に向けた手順の確立や運転員の訓練、リスク低減に活用される。

参考・出典

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