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経済産業省は6月5日の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会第49回会合で、「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案を示した。将来の原発リプレースについて、一定の仮定の下で2040年代までに約220万〜550万kW(約2〜5基)、2050年代までに2040年代分を含め約1270万〜1600万kW(約11〜14基)分の建て替えが必要だとしている。共同通信などは、東京電力福島第一原発事故後、政府が原発の建て替えで具体的な基数目標を示す初の事例だと伝えている。抽象的な「原発活用」から、数量を示した中長期の政策論議へ踏み込んだ点が大きい。
6月5日の原子力小委員会で具体化
経済産業省は6月5日、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会第49回会合を開き、原発リプレースの見通しを含む指針改定案を示した。2026年度最初の会合で、原子力政策を長期的に具体化する議論が進んだ。
対象は、廃炉を決定した発電所を有する事業者のサイト内での建て替えである。その他の開発・設置は、再稼働状況や地域理解などの進展を踏まえて検討する整理であり、原発の新増設全般を直ちに広げる内容ではない。
狙いは、電力会社やメーカーの投資判断を促し、部品供給網や技術者の育成・確保に見通しを与えることにある。指針案は、定量的な見通しを示すことが、発電分野への投資判断や関連サプライチェーンの事業予見性、人材確保の指標になるとしている。
正式決定と個別建設は別段階
今回の数値は、一定の仮定に基づく建て替え必要量の試算を盛り込んだ指針改定案であり、政府として正式に決定した個別の建設計画ではない。約11〜14基という数字も、そのまま個別原発の着工や認可が決まったことを意味しない。
実際に建て替えを進めるには、事業者の採算判断に加え、原子力規制委員会の安全審査、立地自治体の理解、資金調達などの手続きが必要になる。今後は、数値目標が指針改定としてどのように正式化され、個別の計画や審査、地元同意のプロセスにどう接続されるかを見極める段階となる。
