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報道によると、政府が今夏に策定する見通しの2026年版「骨太の方針」の素案に、有事の防衛装備品増産に向け、国営工廠の設置を検討する方針が盛り込まれたことが23日、判明した。弾薬や装備品を補充しながら作戦を続ける「継戦能力」の向上策と位置付け、関連する防衛生産基盤強化法の改正も視野に入れる。
政府全体の方針に浮上した国営工廠
骨太の方針は、経済財政諮問会議での審議などを経て閣議決定される政府の基本方針である。ここに国営工廠の検討が入ることは、防衛政策の個別論にとどまらず、経済財政運営や産業政策を含む政府全体の課題として扱われることを意味する。
防衛省は、日本には防衛装備品などを製造する国営工場である工廠がなく、防衛生産・技術基盤の重要な部分を民間企業に大きく依存していると整理してきた。装備品は必要な時に急に作れるものではなく、部品、熟練人材、専用設備を平時から維持しておく必要がある。
2023年に成立・施行された防衛生産基盤強化法は、企業の撤退、供給網の寸断、設備の老朽化、サイバー攻撃などに対応し、装備品の安定的な製造を確保する枠組みを置いている。今回の検討はその延長上で、国が工場や設備の保有や運用に、より深く関与する可能性を示すものだ。
焦点は制度設計と民間との役割分担
2026年の自民党重点政策「Jファイル2026」は、防衛産業に関する国営工廠や国有施設民間操業、いわゆるGOCOの施策推進を掲げている。経団連も同年5月の提言で、国営工廠やGOCOを防衛関連企業の経営の根幹に関わる論点として挙げ、GOCOについては民間投資が現実的でない分野に限定するなど慎重な検討を求めている。GOCOは国が施設を持ち、民間が操業する方式で、全面的な国営化とは異なる選択肢になり得る。
今後の焦点は、素案が示す国営工廠を、既存の防衛生産基盤強化法にある国の製造施設取得・管理委託の仕組みとどう接続するかに移る。対象が弾薬に限られるのか、ミサイル、無人機、部材・原材料、修理整備まで広がるのかも重要な論点だ。民間企業の既存設備やサプライチェーンとの役割分担、法改正や予算措置の工程も問われる。
ただし、現段階で示されているのは設置の「検討」であり、国営工廠の新設が決まったわけではない。防衛生産基盤強化法の改正も「視野」に入る段階で、改正案提出が確定したものではない。政府は有事の増産力を高める一方、民間中心で支えてきた防衛産業基盤との接続をどう設計するかを迫られる。
