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台湾軍は9日、中国軍の水陸両用部隊による上陸侵攻を想定した沿岸実弾演習を実施した。ロケット弾や火砲を使い、上陸部隊を海岸線で阻止する反上陸戦闘を訓練したもので、準備時間を短くしたより実戦に近いシナリオとして行われた。
台中周辺の西部海岸で集中火力
演習は台湾中部・台中市の大甲溪出海口周辺の西部海岸で行われ、現地報道では「115年重砲射撃暨新式武器換装検証」として実施された。台湾製の雷霆2000多連装ロケットシステム、米国製M109A2自走砲、M110A2自走砲、155ミリ榴弾砲、120ミリ迫撃砲、TOW対戦車ミサイル車などが投入され、海岸線に「撃破ゾーン」をつくって上陸部隊を食い止める想定だった。
撃破ゾーンとは、敵部隊が上陸して身動きが取りにくい段階で火力を集中させる区域を指す。海から陸へ移る瞬間は部隊の隊形が乱れやすく、防御側にとっては阻止の重要な機会となる。
現地報道などによると、演習は約20キロの海岸線に沿う8陣地で同時に展開された。雷霆2000は3両が参加し、各60発、計180発のMK15ロケット弾を発射した。発射中には1発が点火せず、約400メートル先に落下したとも伝えられている。単一地点での展示的な訓練ではなく、広い海岸線で同時に火力を運用する形を示した。
反上陸防衛の即応性を重視
台湾の西部海岸は台湾海峡に面し、浜辺や干潟が広がる地域は、中国側が海峡を渡って上陸を試みる場合の有力地点とみなされている。台湾防衛では、上陸部隊を内陸に進ませる前に海岸で止めることが主要な課題の一つだ。
台湾側は近年、機動性の高いロケット砲や火砲、対戦車火器、無人機などを組み合わせる非対称防衛を重視している。大規模な正面衝突だけに頼らず、相手の弱点となる上陸直後の局面に火力を集中させる考え方である。
今回の演習では、上陸地点で敵部隊を早期に止める初動火力の運用が主題になった。現地報道では第10軍団、58砲指部、234旅、586旅などの参加が伝えられている。一方で、訓練全体の体系上の位置づけや、無人機・海空戦力との連携の具体的内容は限定的な公表にとどまっている。
