米控訴審 トランプ政権のトランス軍務制限を一部容認、仮処分維持

米控訴裁、トランスジェンダー軍務制限で新規入隊禁止を当面容認 現役原告は保護

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複数の米主要メディアによると、米連邦控訴裁判所D.C.巡回区の3人合議体は1日、トランプ政権によるトランスジェンダーの軍務制限をめぐり、新規入隊の禁止は当面認める一方、現役の原告兵士を排除しないよう命じた地裁の仮処分は維持する判断を示した。判断は2対1で、多数意見は政策自体に強い違憲疑義を示した。ただ、合議体は政権側がさらなる審理を求める機会を確保するため判断を停止しており、直ちに全面的な運用転換が起きる局面ではない。

大統領令を受けた広範な軍務制限

訴訟は「Talbott v. United States」で、控訴審判決文は国防長官の実施方針を「Hegseth Policy」と位置付けた。この方針は、2025年1月27日に署名され、2月3日に官報掲載された大統領令14183「Prioritizing Military Excellence and Readiness」を受けた措置で、トランスジェンダーの軍務を大きく制限する内容だ。

Hegseth Policyは、性別違和の現在の診断や既往、診断に相当する症状がある人に加え、医療・外科的な性別移行の経歴がある人を軍務不適格と扱う。性別違和とは、出生時に割り当てられた性別と本人の性自認との不一致によって強い苦痛を抱く状態を指す。

政策には個別の免除規定があるが、出生時の性別基準に従うことや、別の性への移行を試みていないことなどが前提とされている。控訴審の多数意見は、こうした仕組みについて、形式上は例外を残しながらも、実質的にはトランスジェンダーの人々を広く排除するものだと整理した。さらに多数意見は、費用や即応性などの軍事上の利益が一部の制限を説明し得るとしつつ、性別違和の遠い既往や社会的移行の経験まで排除につなげる広範な分類には合理的な説明がなく、記録上はトランスジェンダーの人々への否定的態度に基づくものだと述べた。

新規入隊には及ばない救済

今回の判断で保護が及ぶのは、少なくともこの訴訟で現役として争っている原告兵士に限られる。新規入隊希望者については、軍に入隊基準を定める広い権限があるとして、訴訟が続く間も禁止を維持することを認めた。政策全体を止めたわけではなく、現役原告兵士の扱いと新規入隊希望者の扱いを切り分けた判断である。

別のワシントン州の訴訟では原告側に有利な判断が出ていたが、連邦最高裁がその差し止めの効力を止めており、より広い政策全体は引き続き発効している。今回のD.C.巡回区の判断も停止されているため、政権側が大法廷審理や最高裁への救済申し立てに進む可能性が残る。トランスジェンダー兵士の軍務をめぐる法廷闘争は、なお続くことになる。

参考・出典

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