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台湾海巡署は9日、中国側船舶が台湾周辺を航行中の商船に対し、出発港や目的港などを無線で照会し、海域の管轄権を示唆する「妨害行為」を行ったと明らかにした。7日以降、通過中の商船3隻が対象となり、台湾側は各商船に対し、中国側の問い合わせに応じる必要はないと呼びかけた。
台湾東部海域で強まる中国側の示威
台湾海巡署は7日、中国交通運輸部が台湾東部海域で「海上交通専項執法行動」を行うと打ち出したことに対し、中国は同海域でいかなる主権的権利も持たず、国際法に反すると反論した。「専項執法行動」は、特定海域で航行秩序などを取り締まるという名目の活動で、台湾側はこれを管轄権の既成事実化につながる動きと受け止めている。
台湾海巡署は同日、中国側の「海巡06」「海巡08」「海巡09」「東海救113」の4隻を把握し、必要な艦艇を前方展開して対応した。4隻は午後2時5分、台湾最南端の鵝鑾鼻の南西30カイリ(約56キロ)で台湾の制限水域に入り、台湾側は「高雄艦」などで一対一の並走監視を行い、無線などで退去を求めた。午後5時30分までに4隻を制限水域外へ押し戻したとしている。
台湾海巡署は、一連の中国側行動について、台湾周辺海域に中国の「管轄権」が及ぶかのような印象をつくり、現状変更を狙う灰色地帯での侵擾だと位置付けている。軍事衝突には至らない範囲で相手側に圧力をかけ、既成事実を積み上げる手法だ。
民間商船への接触という新たな局面
今回の特徴は、中国側の活動が公船同士の接近や示威にとどまらず、通航中の民間商船への無線照会に及んだ点にある。台湾海巡署の説明では、商船は通常航行を維持し、中国側公務船による乗船、検査、接近、物理的な妨害は確認されていない。出発地や目的地を尋ねる行為は、それ自体が臨検や拿捕を意味するものではないが、海域で行政・法執行権限を行使しているかのような印象を与える。
商船3隻の船名や船籍、照会が行われた正確な位置、無線の具体的な文言は公表されていない。6月9日の商船照会に関与した船舶と、7日に台湾側が公表した4隻の中国公務船との関係も、現時点の公表情報だけでは特定しにくい。台湾側は、商船への照会を通じて中国側の管轄権を印象づける行為だとして警戒を強めている。
