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東京工科大学とcircuRE actは2026年6月15日、海洋性微細藻類ソラリスに含まれるフコキサンチンを表皮細胞に添加すると、UVB照射で増えたIL-6などのSASP関連因子の遺伝子発現量が低下したと発表した。化粧品原料への応用を見込むが、ヒトでの有効性は未検証である。
PCRで複数の関連因子を評価
研究は表皮細胞を用いるin vitro試験で、UVBを照射した群と未照射群にフコキサンチンを加えた。PCRを使い、IL-6、MCP-1、MMP-3、MMP-1、インボルクリンなどの遺伝子発現量を比較した。
東京工科大学によると、UVB照射で増加したIL-6、MCP-1、MMP-3の発現量は、フコキサンチンの添加によって有意に抑えられた。IL-6とMCP-1で変化が顕著だった一方、MMP-1への影響は限定的だった。角化や表皮バリア形成に関わるインボルクリンは増加傾向を示した。
大学は、ソラリスのフコキサンチン含有量を乾燥重量100g当たり950~1000mgとし、昆布やワカメなどの大型藻類より多いと説明している。circuRE actは、国内で培養から抽出・精製までを一貫して行う生産体制の整備を計画している。
光老化との関係は基礎研究段階
SASP(老化細胞随伴分泌現象)は、老化した細胞がサイトカインなどを放出する現象を指す。東京工科大学は、SASP関連因子が周囲の細胞や組織に炎症性の影響を及ぼし、UVBによる光老化にも関与すると説明している。今回の試験では、IL-6やMCP-1などを関連指標として評価した。
第51回日本香粧品学会学術大会は6月25、26日に有楽町朝日ホールで開催された。大学の事前案内では、25日午後0時20分からのポスターセッションで「フコキサンチンによる表皮細胞のSASP抑制」を発表する予定としていた。大会の開催は確認できるが、個別発表の実施を示す事後報告は7月13日時点で確認できない。
公表されているのは表皮細胞の遺伝子発現データで、ヒト臨床試験や動物試験の結果ではない。大学の発表文には、使用細胞の由来、フコキサンチンの濃度、反復数、具体的な効果量などの実験条件や、査読論文の掲載先も示されておらず、製品の美容効果を判断できる段階ではない。
