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イラン革命防衛隊コッズ部隊のエスマイル・ガアニ司令官は6月8日、ホルムズ海峡からバベルマンデブ海峡、さらにペルシャ湾から紅海に及ぶ「抵抗」側の新たな海上安全圏・海域構想に言及した。イラン国営メディアが伝えた。国際報道では、この構想は「新たな安全圏」や「抵抗の安全ベルト」に当たる表現で紹介されている。
二つの海峡を結ぶ広域構想
今回の発言の焦点は、ホルムズ海峡とバベルマンデブ海峡という二つの要衝を、一つの連続した海上戦略圏として示した点にある。ホルムズ海峡はペルシャ湾の出入り口であり、バベルマンデブ海峡は紅海とアデン湾を結ぶ。いずれも商船やエネルギー輸送にとって迂回が難しい海上の「細い通路」だ。
ガアニ司令官は、地域の同盟勢力による最近の行動が「抵抗戦線」の連携拡大を示したという文脈で発言した。イラン側の海峡統制論と、イランと連携する地域勢力の海上圧力を、一体の構図として示した形だ。
ガアニ司令官は2日にも、レバノンとガザへの攻撃が続けば、バベルマンデブ海峡の航行環境をホルムズ海峡と同様の状況にし得ると警告し、「他の戦線」の活性化に言及していた。8日の発言は、この警告をさらに広げ、ペルシャ湾から紅海にまたがる海上安全圏の構想として示したものと位置付けられる。
既存の海峡圧力論の延長線
イラン側当局者は直近、ホルムズ海峡について、「敵対勢力」に関連する船舶の通航制限や、非敵対船舶の通航管理を主張している。通航管理とは、船の通過を自由に任せるのではなく、相手や目的に応じて制限や監視を加えるという考え方だ。
今回の発言は、こうしたホルムズ海峡をめぐる圧力論を、バベルマンデブ海峡や紅海方面にまで接続する戦略的メッセージといえる。ただし、ガアニ司令官の発言だけで具体的な軍事運用、参加主体、実施時期が明らかになったわけではない。現時点で確認されているのは、両海峡を含む広域の海上安全圏・勢力圏構想への言及であり、海峡封鎖や共同作戦の開始を正式に表明したものではない。
一方、同じ6月8日には、イランと連携するイエメンのフーシ派が紅海でイスラエル関連船舶の航行を禁じると表明した。対象はイスラエル関連船舶とされ、紅海の全商船を対象にした全面的な通航禁止とは確認されていないものの、ガアニ司令官の発言と重なる形で紅海側の緊張を高めている。
