経済産業省、全固体電池の共通基盤と企業支援を連携 2030年実用化へ

経産省、全固体電池の共通評価をGI基金へ統合 国費負担上限34億円で開発を加速

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経済産業省は、全固体リチウムイオン電池の共通基盤技術を、グリーンイノベーション基金(GI基金)による企業別の開発支援と一体的に進める。現行計画では、NEDOの「SOLiD-Next」を2026年度途中からGI基金の委託事業に引き継ぎ、材料評価や耐久性研究の成果を各社へ展開して、2030年頃の本格実用化を後押しする。

共通モデルで材料性能を比較

連携の土台となるのは、NEDOが2023年度に始めた「次世代全固体蓄電池材料の評価・基盤技術開発(SOLiD-Next)」だ。NEDOの事業ページでは、2026年度予算を18億5000万円としている。現行のGI基金計画は、2026年度途中までNEDO事業として実施し、その後はGI基金の委託事業が引き継ぐと定めている。

全固体電池は、従来のリチウムイオン電池で使う液体の電解液を固体電解質に置き換える。高いエネルギー密度や出力、安全性が期待される一方、固体電解質と電極材料の接触状態や、充放電に伴う劣化が性能を大きく左右する。このため、材料単体ではなく、電池に組み込んだ状態で性能と耐久性を確かめる必要がある。

SOLiD-Nextでは、共通の物差しとなる標準電池モデルを使って新材料を比較し、評価結果を材料や電極、セルの設計に反映する仕組みを構築している。2025年度までの主な成果として、高耐久型と高入力型の2種類について一次仕様とコンセプトを提示した。試作した実証電池では、EVの10万km走行を想定した充放電試験後に容量維持率93%を達成した。

GI基金に評価基盤、国費上限34億円

GI基金では、SOLiD-Nextの成果を引き継ぐ委託事業を設け、モデル電池を用いた材料評価、新材料の提供、共通課題への対応指針などを既存の全固体電池関連事業者へ展開する。計画は、委託事業の実施者がGI基金で電池や材料の開発を担う主要事業者と連携することを条件としている。

研究開発・社会実装計画は、協調領域の課題を解決する材料評価基盤技術を対象に追加し、国費負担上限を34億円に設定した。これはSOLiD-NextをGI基金へ引き継ぐ委託事業の費用で、企業の量産設備への直接補助額ではない。

2027年度までに標準電池モデルなどを用いた材料評価技術を2件以上開発するほか、固体同士の界面に関する要素技術では、EVの30万km走行を想定した試験後に容量維持率70%以上を目指す。経産省は6月2日に改訂した「蓄電池・電源産業戦略」で、2030年頃の全固体電池の本格実用化と、2030年代半ばに向けた需要規模に応じた製造基盤の確立を掲げている。

参考・出典

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