台湾中部・台中市で講演後、産経新聞前支局長が殴打被害

矢板明夫氏、台中で講演後に襲撃 香港籍の男を勾留し越境弾圧の背後関係を捜査

※記事を視覚化したイメージであり、実際の事象とは異なります。

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産経新聞の前台北支局長で、台湾を拠点に活動するジャーナリストの矢板明夫氏が7月6日(現地時間)、台中市内のホテルで講演後、男に顔を殴られ、唇を切るけがをした。警察は同日、台中国際空港で中国出身の香港籍の男を逮捕した。

講演後、ホテルロビーで襲撃

矢板氏は中国・天津市生まれで、15歳の時に日本へ引き揚げた日本国籍のジャーナリスト。産経新聞の北京特派員や台北支局長を務め、退社後も台湾で言論活動を続けている。現在はシンクタンク「印太戦略智庫」の執行長として、台湾政治や対中政策について発信している。

事件は、春雨文教基金会が台中市内のホテルで開いた行事の終了後に起きた。矢板氏がホテルのロビーで電話をしていたところ、黒い服を着た男が近づき、顔を殴って逃走した。矢板氏は病院で治療を受けた後、警察に被害を届け出た。

警察によると、逮捕されたのは中国・広東省出身で、香港旅券を持つ33歳の廖姓の男。男は7月2日に台湾へ入り、複数の宿泊施設を移動した後、事件現場の向かいにあるホテルに滞在し、周辺の経路を確認していたとされる。犯行後は服を着替えて空港へ向かい、同日午後、出境する前に台中国際空港で逮捕された。

警察は7日、反浸透法、公然侮辱、傷害などの容疑で男を台中地方検察署に送致した。台中地検は、男に逃亡や証拠隠滅、共犯者や指示役との口裏合わせの可能性があるとして勾留と接見禁止を請求し、台中地裁が同日認めた。検察は、計画的で、依頼を受けた越境的な暴行の疑いがあるとみて背後関係を調べている。

台湾当局、越境弾圧として非難

台湾外交部は7月6日、男を「中国籍の香港人」と表現し、事件は中国による越境弾圧の脅威を浮き彫りにしたとの見解を示して強く非難した。大陸委員会も7日、中共による台湾への越境弾圧だとして、関係機関が厳しく捜査すると表明した。

7月14日には、香港の犯罪組織関係者が事件の計画に関わった可能性を指摘する台湾メディアの報道も出た。台湾総統府は、事件は検察と警察が捜査中だとし、境外勢力や協力者の関与を含めて全面的に追及する方針を示した。犯行の具体的な動機や指示系統、中国当局の直接関与は、現時点で確認されていない。

参考・出典

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