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日本郵船は2025年7月24日、三菱重工業などと開発する再使用型ロケットの洋上回収システムで、日本海事協会(ClassNK)からコンセプト承認(AiP)を取得した。ロケット1段目を無人回収船に着地させて再利用する構想で、2028年度中の実証実験を目指す。2026年7月には大阪大学を連携機関に加えた。
捕獲から遠隔運用まで一体開発
開発は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙戦略基金事業「再使用型ロケット利用に向けた洋上回収船に係る要素技術構築」として進む。日本郵船は2024年12月20日に採択され、2025年4月17日にJAXAとのキックオフミーティングを開いて研究開発を開始した。日本郵船が代表機関を務め、三菱重工業などと連携する。
今回のAiPは、回収船と司令船からなるシステム全体について、基本設計前の初期概念に技術的な妥当性があるとClassNKが確認したものだ。ClassNKが船舶を含む宇宙開発関連システムにAiPを出すのは初めてとなる。
回収船は、ダイナミック・ポジショニング・システムで潮流や風の影響を抑えながら位置を保ち、ロケット1段目を無人運用の甲板へ自動着地させる構想だ。着地後は機体を固定し、残留推進薬を安全に排出する。司令船は回収船と連携し、機体を港まで運搬する。
JAXAの事業計画では、機体捕獲、安全化、着陸用甲板、遠隔運用などの要素技術を組み合わせた試作船を製作し、地上と洋上で実証試験を行う。日本郵船は2028年度中の実証実験を予定している。
2025年12月にはOceanic Constellationsと、統合シミュレーションの開発とシナリオ検証に関する業務委託契約を結んだ。2026年7月1日には大阪大学を連携機関に加え、波浪中の船体動揺、回収船システムの最適設計、実証試験に向けた解析を共同で進めると発表した。
打ち上げ機会拡大へ洋上回収
国内外で衛星の打ち上げ需要が増えるなか、日本政府は2030年代前半までに、基幹ロケットと民間ロケットを合わせた国内打ち上げ能力を年間30件程度確保する目標を掲げている。
JAXAは、ロケットの1段目を繰り返し使うことが、低コストで高頻度な宇宙輸送の実現に有効だと位置付ける。国土面積が限られる日本では陸上の帰還場所を確保しにくいため、予定海域に回収船を配置し、海上で機体を安全に受け入れる技術の構築が求められる。
今回のAiPは、洋上回収システムの初期構想が技術面で成立し得ることを確認したもので、実機の回収成功や商用運用の開始を意味しない。公開された3Dモデルと回収手順はコンセプト段階で、船型や運用体制は今後も協議する。
実証実験は2028年度中に予定されている。一方、試作船の詳細仕様、実証に使う機体と海域、商用サービスの開始時期は明らかにされていない。
